
支援総額
目標金額 140,000円
- 支援者
- 61人
- 募集終了日
- 2022年2月28日
エンジンルームに入り込んだ子猫を保護した話(その2)

車に入り込んでしまった子猫の捕獲には失敗してしまいましたが、車の持ち主の社長さんと従業員さんの協力もあり、車の中から子猫を出すことには成功しました。
ひとまず子猫が車の中で事故に遭ってしまう危険性は回避されたわけですが、子猫を保護するまでは本当に安心できる状況にはなりません。
私は子猫が走り去った方を隈なく探してみましたが、どうしても子猫の姿は見当たりませんでした。
仕方がないので子猫が隠れそうなコンクリートの隙間の近くに捕獲機を置き、しばらく様子を見ることにしました。
一方、夕方から降り始めた雨は次第に強さを増しており、完全に日が落ちたことも相まってだいぶ肌寒い気温になってきました。
まだ身体が弱い子猫にとっては、命取りにもなりかねない気候と気温です。
私にできることは離れた場所から捕獲機を監視しながら、子猫が姿を現すのを祈るだけです。
そんな時、私の近くに1台の黒い車がやってきました。
捕獲機を設置していたのはそれほど目立つ場所ではありませんでしたが、ひょっとしたら猫のことで文句を言われるのかもしれない、と私は身が凍る思いをしたのを覚えています。
緊張しながらも相手の出方を窺っていると、黒い車から降りてきたのは、先ほど捕獲に協力してくれた社長さんでした。
「子猫はもう捕まったかい?」
社長さんは私に向かって、労わるように話しかけてきました。
私は先ほどのお礼を再度伝えたうえで、子猫を捕獲できていないことや、子猫の姿を見失ってしまったことを話しました。
「そうか・・・大変だけど頑張ってくれよな。」
社長さんは励ましの言葉をかけながら、ポケットから取り出した封筒を私に握らせました。
突然のことで呆気に取られている私に向かって
「いろいろ感動したよ。少ないけど猫の保護に使ってよ。」
そう言い残すと、そそくさと車に乗り込み走り去ってしまいました。
社長さんが居なくなった後、封筒を開いてみると3万円が入っていたのです。
私は社長さんの心遣いに涙が出る思いでした。
従業員さんと一緒に子猫を助けようと一緒に手伝ってくれただけではなく、わざわざ後から私の様子を見にきてお金を渡してくれたのです。
しかも、3万円となれば、決して軽い金額ではありません。
しかし、私はお金を渡されたことよりも、わざわざ励ましに来てくれた社長さんの気持ちに、本当に救われた気持ちになりました。
猫の捕獲をしていると周囲からは奇異の目で見られることが多く、好意的な声を掛けられることはほとんど無いからです。
場合によっては猫に餌やりをしていると勘違いされて怒鳴られたり、猫を捕獲するならリリースせずにそのまま家で飼えと文句を言われることもあります。
TNR活動を始めてからそんなネガティブな経験ばかりの私にとって、社長さんの励ましは心の芯まで響くほどの感動だったのです。
社長さんの励ましを受けた私は、夜11時を迎えるまで子猫の行方を探しましたが、どうしても子猫を保護することはできませんでした。
仕方なく私はルール違反を承知のうえで、何カ所かに分けてウェットフードを置き、家へ帰ることにしました。
このまま放っておいては雨と寒さで子猫の体力が奪われてしまいますので、せめて食べる物だけは残してあげたかったのです。
そして次の日の朝、私は捕獲機を持ち、再び子猫が逃げた場所へと保護へ向かいました。
正直なところ、この時は子猫の保護はほとんど諦めていました。
私の経験上ですが、姿を消した子猫を見つけるのは難しく、どんなに頑張っても徒労に終わることが多かったからです。
それに私は夜中まで家の猫の世話があるので、朝早く起きるのはどうしても難しく、子猫を捕獲しに行くのは無理だと感じていました。
しかし、励ましてくれた社長さんの気持ちを無駄にしないためにも、子猫の保護は絶対に成し遂げなくてはなりません。
私は苦手な早起きをして、朝から子猫の行方を探し始めました。
現場に着いた私がまず確認したのは、前日の夜に置いていったウェットフードの有無です。
そこで、3か所ほどに置いたウェットフードのお皿を回収しながら確認してみると、1つだけ綺麗に食べた跡がありました。
ひょっとしたらこの近くに子猫がいるかもしれないと思いフェンスの隙間を覗いて見ると、そこには横になって眠っている子猫がいました。
私は急いで捕獲機を設置して、子猫の動きを見守ることにしました。
すると、フードの匂いに釣られたのか、子猫がフェンスを乗り越えて捕獲機の近くへやってきました。
ここまでくれば、後は子猫が捕獲機に入るのを待つだけです。
離れたところから祈るような気持ちで眺めていると、ようやく子猫が捕獲機の奥まで到着して捕獲機の入口が閉まりました。
雨が降り寒い中、良く生きていてくれたと思う。
私は急いで捕獲機を回収し、車の中で子猫の様子を確認しました。
見たところケガや病気は無さそうでしたが、私が想像していたよりもずっと小さな子猫でした。
私は無事に子猫が保護できた安堵感と共に、励ましてくれた社長さんへ感謝する気持ちが止みませんでした。
もし私ひとりで子猫の捕獲をしていたらとっくに諦めていたでしょうし、子猫の行方も分からなくなっていたと思います。
しかし、社長さんが励ましてくれた気持ちが私の背中を押してくれて、不可能だと思われた子猫の保護をやり遂げることができたのです。
私はこの時から、人の厚意が人を支えるということを、強く意識するようになりました。
幸いにもケガや病気は無さそうだった。
こうしてエンジンルームに入り込んだ子猫は、私の下で家猫としての第一歩を踏み出すこととなったのでした。
(続く)
★この話を最初から読む⇒エンジンルームに入り込んだ子猫を保護した話(その1)
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