プロジェクト概要

プロジェクトの終了が報告されました

沖縄~太平洋の島々まで、共通する“アダン”文化を知っていますか?

 

はじめまして。木下靖子(琉球弧アダンサミット2018石垣島実行委員会)です。私は、学生の頃から沖縄の南西諸島と南太平洋の島をフィールドに、海に関わりの深い島の文化を研究してきました。サンゴ礁に囲まれ数百年、数千年続いてきた島の文化には、有限の資源を大事に使う、持続可能な暮らしのヒントがあります。

 

サンゴ礁に囲まれた島、その島の周辺をぐるりと取り囲む美しい緑の茂み、ところどころにパイナップルのような赤やオレンジ、黄色の実が見える、これが英名パンダナス、沖縄で“アダン”と呼ばれる植物です。

 

太平洋の島の人たちは、このアダンの葉をつかってバスケットやマットを作ります。軽くて使い心地が良いだけでなく、繊細な模様など島ごとに違うデザインも魅力的です。これらアダンでつくる民具は、女性たちの貴重な現金収入源にもなっています。

 

その後、私は沖縄の石垣島、宮古島に滞在する中で、太平洋と同じく沖縄の島々にもアダンを利用する独特な文化があることを知り、興味を持つようになりました。

 

アダンの葉を編んでバスケットをつくるバヌアツの女性たち

 

沖縄のアダン文化に注目、昨年初の「琉球弧アダンサミット」を池間島で開催しました。

 

アダンは、日本では奄美以南、沖縄の島々に分布しています。アダンの群落は沿岸部、海と陸との境目に生育するため、島に暮らす人々にとっては防潮・防風・防砂の役目を果たす重要なものでした。また、その葉、実、幹、気根といったほぼすべての部分が、生活道具の材料、燃料、食糧といった資源として利用されてきました。

 

しかし、琉球弧の島々でも現在ではアダンをつかった民具は生活では使われる機会は少なく、70代より下の世代ではその作り方をほとんど知りません。

 

そこで、古くから島と暮らしを守ってきたアダンに今一度注目し、互いの島の文化を発表・交換、交流することを目的とした「琉球弧アダンサミット」を2017年8月に池間島(宮古諸島)で開催しました。サミットは2日間で、「島々からの報告」、「アダン料理ワークショップ」、「アダンを語ろう(地元の子どもたちや様々な分野の専門家がアダンについて研究成果報告)」、「アダン手業ワークショップ」の4つのプログラムで開催しました。

 

 ▼琉球弧アダンサミット2017池間島HP

 http://npoikema.sakura.ne.jp/adansummit/index

 

参加者は、宮古島のほか、八重山諸島、沖縄本島、福岡、大阪、遠くはフランスからも集まり、のべ200名ほどとなりました。

 

サミットは、島の年長者たちの話を聞き、島にもともと伝わる技を見て、そして教えてもらう貴重な機会となりました。世代間の“縦”の交流と、島々を結ぶ“横”の交流が実現できたことが、アダンサミットの成果だと思います。琉球弧の島々、それから同じアダン文化を有する太平洋諸国を視野に入れ、今年2018年、第2回目のアダンサミットを開催したいです。

 

沖縄本島、宮古島、石垣島、竹富島、与那国島…琉球弧の島々を中心に参加者が集まり交流しました

 

次世代へアダンをつなぐ―縦・横の広がり―アダンサミット2018を石垣島で!

 

第1回アダンサミットは、次回「石垣島で会いましょう!」を合言葉に幕を閉じました。第2回となるアダンサミット2018年石垣島では、テーマは「アダンを植えよう」になりました。

 

防潮・防風・防砂の役割を果たし、島を守ってきたアダンの群落は、近年石垣島でもだんだんと見られなくなってきています。島の歴史における海と陸とをつなぐアダン林の役割、持続可能な環境利用について話題提供と、島の未来を想像しながら実際に参加者でアダンの植栽をおこないます。

 

 2018年12月8日(土)・9日(日)開催!

  場所:沖縄県立青少年自然の家(沖縄県石垣市)

 

 ▼琉球弧アダンサミット2018石垣島実行委員会▼

  代表:大田静男(八重山)、前泊博美(宮古)、盛口満(沖縄)、竹川大介(九州)

  後援:生物文化プロジェクト実行委員会、九州フィールドワーク研究会(北九州市立大学)、NPO法人いけま福祉支援センター

 

今回のサミットは、石垣島実行委員会を立ち上げ、島々の方が共同代表となりすすめています。また、北九州市立大学文学部3年生、緒方良子(九州フィールドワーク研究会)さんは、サミット運営のために9月から石垣島に滞在し、実行委員会の事務局として活動しています。

 

2日間にわたって開催するサミットのプログラムは、海垣(防潮・防風・防砂の役割)を自分たちの手でつくる「アダンを植えよう」です。

琉球列島のかつての里山の様子を聞き取り調査から明らかにする試みを続けている盛口満さん(沖縄大学人文学部・博物学)、南太平洋ソロモン諸島、バヌアツ共和国、沖縄をフィールドに海洋民俗学、人類進化論、人の環境適応について研究している竹川大介さん(北九州市立大学文学部・人類学)らによる「アダンを語ろう」、アダン料理のワークショップ、アダン料理とアダンの島唄による交流会「アダンを味わい、そして唄おう」、アダン民具づくりの継承者を講師に迎える「アダンの手業ワークショップ」の4つです。

 

アダンの葉を編む、手業ワークショップ

 

島の未来をみんなで考える!アダンサミットで沖縄と太平洋をつなげていきたい

 

私は自分がこれまで滞在した南太平洋のバヌアツの話を、宮古や石垣のおばぁたちに話すと「まるで昔のシマみたいだね!」となつかしそうに言われます。バヌアツと沖縄は遠く離れていますが、同じ亜熱帯の海洋性気候、アダンをはじめ、島で利用している植物、よく食べるサンゴ礁の魚介類などよく似ているのです。

 

おばぁたちは子どもの頃、島で暮らすのに必要な知恵は祖母や祖父が教えてくれたといいます。しかし、現在、その知恵はどこでどう使ったらいいかわからないぐらい島の環境は急速に変わってしまったともいいます。そこで、同じような自然環境で文化を育んできた太平洋の島の人たちが集まって交流することができたら‥それがアダンサミットの大きな夢です。


最近では太平洋の島々も近代化が急速に進み、数十年まえのようすとは大きく変わってきていることでしょう。今、環境の急激な変化のなか、アダンサミットの開催を続けていき、本来、それぞれの島々が長い年月をかけてつくってきた持続可能な環境資源利用の方法について知恵や情報を出し合い、共有していくことに意義があると考えます。

 

昨年、池間島で産声をあげたアダンサミット。古くからサンゴ礁のように島を守ってきたアダンをキーワードに、海に暮らす島の未来をみんなで考え、交流する場として育んでいけるよう、ご賛同ご支援いただけたら幸いです。

よろしくお願いいたします。

 

海と陸の環境は密接につながっています。アダンサミット2018in 石垣島のテーマは「アダンを植えよう」です。
海と陸の間に防風・防潮の「海垣」として形成してきたアダン群落の役割に注目します。

 

リターンについて

 

今回、琉球弧アダンサミット2018 in 石垣島へのご支援を呼びかけさせていただくにあたって、日本のみなさんに太平洋のアダン文化について知ってもらいたいと思い、バヌアツ共和国フツナ島の人たちの手によるアダン・バスケットを準備しました。

 

島の女性たちの手仕事として、アダンの葉でつくられるマットやバスケットはすばらしいものです。アダンの葉の軽くしなやかな丈夫さから、暮らしに合わせた使いやすさ、機能性を備えたものとなっています。

 

太平洋の離島では、日常生活の必要な道具の一部としてアダンクラフトがさかんにつくられているほか、このような手仕事は離島の女性たちの貴重な現金収入源となっています。

 

フツナ島のバスケットづくりの技術は非常に高く、太平洋でみられるさまざまなバスケットの中でも群を抜いて編み目が細かいところが特徴です。繊細な編地と洗練されたデザインは独創的だと思います。

 

このたび、フツナ島の方たちからアダンサミットへの賛同と協力をいただき、リターン用にアダンバスケットの作成を依頼することができました。フツナ島のバスケットについては、現地に行くか、日本では沖縄の海洋文化館の展示などでしかなかなか見ることができません。ぜひ、この機会に手にとってみていただければと思います。

 

伝統的なスタイルのフツナ島のバスケット。編地が数ミリ幅と非常に細かいのが特徴です。

 

 

 

2018年12月8~9日までの間、沖縄県石垣市で、第2回琉球弧アダンサミット2018石垣島を開催したことをもって、プロジェクトを終了とする。 
※予定通りに開催できなかった場合、延期します。延期日は未定。2019年3月までに決定します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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