第九章・北観音堂、上小曽野のオニョサマ(大仙市豊川、太田)

大仙市の斉内川流域は秋田県内で最も人形道祖神が密集する地域である。この辺りの代表的な神様の名称はオニョサマで、これは「お仁王様」が転訛したものだ。

 

「イケメンです!」

宮原さんからイケメン認定が出た。たしかに整った顔立ちだ。が、私はどうしても巧みな彫りの技ばかりに目が行ってしまう。

 

1回目の念仏が始まった。お堂の前で当番の男性が鐘を持ち、その周りを9名の参加者が大きな数珠をもって円になって囲む。真ん中の男性が鐘を叩き、

「なーむあーんみだーんぶつ」

と唱えると、全員で数珠を回しながら

「なーむあーんみだーんぶつ」

と唱和する。まるで秋田弁のゴスペルだ。さすがは『ドンパン節』の故郷だと感心しながら聞き入る。

 

 

この日は「はしご取材」の日であった。斉内川流域で同時多発的に「オニョサマ立て」と念仏が行われるのだ。

 

「塞三柱大神」の石碑と一緒にコンクリート製の祠の中にお面が収められているのだが、前面に鉄格子がはめられているので、まるで牢屋に閉じ込められたように見える。

 

こんな格好で祀られることになったのには、実は、まさにイケメンゆえの受難の歴史があるからなのだ。

 

喜助が彫った面に感銘を受け、彼に弟子入りした少年がいる。この少年こそ、北観音堂の面を彫った円満造こと高橋市蔵なのである。

 

「男性は後で来るんですか?」

私たちの案内をしてくれた女性に尋ねた。

「いや、女性しか集まらないんです」

これには驚きのあまり返す言葉を失ってしまった。なぜ「オニョサマ組」なのに女性メンバーしかいないのか。

 

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『村を守る不思議な神様2』の各章を少しだけ紹介するこのコーナーも残すところ4回になりました。第9章は「イケメン&師弟対決」がテーマです。宮原さんの「女性ならではの目線」も大きなポイントになっています。

 

クラウドファンディングはおかげさまで目標を達成いたしましたが、5月31日(金)まで引き続きご支援を募集しております。宮原葉月さんのオリジナルイラストを使ったTシャツや手ぬぐい、バッグなどのアイテムや私が編集制作したフォトブックはクラウドファンディング以外では販売いたしませんので、この機会に是非お求めくださいませ。(小松)

 

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