プロジェクト概要

これまで、2,000人以上の学生たちと実践してきた「地域交流」
ダイバーシティに富む大学だからこそできる新しい形のプログラム。

 

はじめまして、本田明子です。立命館アジア太平洋大学で日本語を担当しています。「立命館アジア太平洋大学」はとても長いので(日本語を初めて学ぶ学生にはなかなか覚えられません)、APUと呼んでいます。

 

APUは、2000年に九州は大分県の別府市にある十文字原という標高300メートルほどの山の上に建てられた大学です。私は、この大学ができたときから、国際学生の日本語教育を担当してきました。


ふつう、留学生の日本語クラスは、1クラスの人数は多くても15名くらいですが、APUの定員は1クラス25名、このクラスを年に5クラスから6クラス、担当してきたので、これまでに教えた学生は2,000人くらいにはなるかと思います。大きな教室で講義をするのではなく、小さな教室で一人ひとりの顔と名前を覚え、週に4日は会うという密度の濃さで2,000人の国際学生を教えた、というのはちょっとだけ自慢になるんじゃないかと思っています。


これまで、私たちは、国際学生と地域住民の方々が交流する、「ひるまち にほんご」「防災まちあるき」「地域交流授業」などの地域交流プログラム事業を実施してきました。APUに通う国際学生たちと別府の地域の方々が交流を深めながら、手を取り、共生していけるまちづくりを目指しています。

 

今回のクラウドファンディングでは、その実現を目指したプログラムの実施にかかる費用を調達したいと考えております。皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします!

 

 

APUには、現在6,000名ほどの学生がいますが、その半分の3,000名は89の国や地域からやってきた留学生たちです。APUの特徴は、留学生が多いということだけではなく、多様な国や地域からのバラエティに富んだ学生たちであること、90%以上が4年間通学する正規の大学生であること、そして、日本語がまったく話せなくても入学できることです。

 

APUが設立される前の日本の大学では、留学生は自国で大学に所属していて、一定期間だけ日本に滞在する短期留学や交換留学の学生や、大学を卒業してから日本に来て、日本語を勉強した後、大学院に入学するのが一般的でした。

 

そのため、留学生ということばには、どこか正規の大学生と区別するお客様的な響きがある(と私は勝手に感じているのですが)ようで、APUでは留学生ということばを使わず、「国際学生」と呼んでいます。

 

 

APUの国際学生と、別府市民の間に生じていたギャップの存在。
顕在化のきっかけは、ある一人の女子学生からのSOSでした…。

 

ある日、一人の学生が泣きそうな顔で、別府の町は怖い、私はもう行きたくない、と言いました。

 

それは、APUができたばかりのころ、私が担当する初級クラスの学生が、「せんせー、べっぷはこわい」(実際は英語です)と言いました。

 

その学生はアフリカ出身の学生で(ちなみにアフリカ大陸出身の学生のなかには、「アフリカ人」と言われることを好まない学生が多くいます。私も何度か「先生、『アフリカ』という国はありません」と怒られました)、漆黒の肌がとてもきれいな女性です。

 

その学生がある日、別府の町に降りて(大学は山の上なので、まさに降りるという感じです)、バス停でバスを待っていたら、一人のおばあさんが何も言わずに近づいてきて、その学生のすべすべの頬を、すーっと掌で撫でてそのまま行ってしまったそうです。そのおばあさんにしたら、おそらく初めて見たきれいな黒い肌が珍しかったのかもしれませんが、そんなことをされた学生にしたら恐ろしくて気持ち悪くて、二度と街には行きたくない、という気持ちになったのだと思います。

 

これだけではなく、山の上の国際学生たちと、下界(いつのころからかAPUの学生たちは別府の町をこう呼ぶようになりました)の住民たちとのちょっとしたすれ違いは頻繁に起きていて、私は一人の日本語教師として、何かできることはないかと考えるようになりました(日本語教師は、日本に来たばかりで日本語ができない学生たちに最初に接する人になることが多く、学生たちに対してついついお母さんのような気持ちになってしまうのです)

 

とにかく、国際学生のことをよく知ってもらおう、バス停に座っているのはかわいいお人形さんではなく、血の通った人間なんだとわかってもらおう、そのためには学生と町の人が接するチャンスをつくらなければ、というのがそのとき私が考えた精一杯でした。

 

 

 

そんなとき、息子の通う小学校から、国際学生と子どもたちを交流させたいという申し出があり、学生を連れて小学校を訪問することができました。

 

そこで無邪気に遊ぶ子どもたちと国際学生を見て、触れ合うこと、接することはすてきだなあと実感することができました。

 

ところが、山の上のAPUから下界まではバスで片道40分550円、当時の国際学生にとって、往復1,000円を超えるバス代はとんでもない贅沢でした。私も安月給ですし、そうそう頻繁に学生を連れて町に降りていくこともできません。

 

それなら、地域の人に大学に来てもらおうと始めたのが、「日本語会話練習ボランティア」の募集でした。いろいろなところでチラシを配り、大学に来て日本語の授業で学生の会話の相手をしてください、とお願いし、授業に来てもらうことにしました。最初に、これにこたえてボランティアに応募してくれたのが13人。

 

この方たちを招いて初めて授業をした後で、一人の学生が「せんせー、ありがとう。はじめてにほんじんとはなしたー」と言いながら私にハグしてくれた時の気持ちは、今でも忘れられません。それから、「地域交流」が私の大事な仕事になりました(はじめてにほんじんとはなしたーと言われたときには、「私も日本人なんだけど」と心の中でツッコミましたけど)

 

 

 

2016年4月。熊本・大分で大規模な地震が発生しました。

 

それから、18年と8か月、「地域との交流」とか「地域とのつながり」、「社会につながる日本語教育」などといったことをテーマに、いろいろな活動を続けてきました。

 

その間に、別府の町や人々の、APUや国際学生、外国人に対する接し方は、大きく変わってきました。町の中では、どこに行っても外国人があたりまえのように生活しています。日本語クラスでの「日本語会話練習」も、これまでの参加者は600人を超え、参加してくださったボランティアのみなさまはいつもあたたかく国際学生を励ましてくれています。

 

そんななか、2016年に熊本で大きな地震が発生しました。

 

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隣県にある別府市でも、震度6弱の揺れを観測しました。APUでは、人も建物も、大きな被害を受けることはありませんでしたが、多くの国際学生たちがはじめて大きな地震を経験して、あわてて避難するなどの混乱も生じました。

 

この地震の後、私たちAPUの日本語教員20名が、地震のときの国際学生の様子を調査して、いろいろなことがわかりました。その中で一番感じたことは、やはり日ごろからの人々のつながりが、いざというとき人を助けるのだ、ということでした。調査の中では、避難所で国際学生と接した地域の方々の話も聞きました。

 

印象的だったのは、日ごろから国際学生や外国人との付き合いがある人たちは、避難所での国際学生の様子を好ましく思ってくれたのに対し、あまり外国人との接触のない人たちは、国際学生について悪い印象を持った人も多かったということです。この経験を通して、文化やことばの違いといったことを、単に知識としてではなく、実際に人と接して知っているということが大きな意味をもつのだという思いが新たになりました。

 

それは、ずっと続けてきた「日本語会話練習」も、少しずつマンネリになってきて、続けていくことの難しさを感じ始めていた時期のことでした。ただ、惰性で続けることからは、新しいつながりは見つからない、そんなとき、地震の調査をきっかけにして、いっしょに調査をした日本語教師の仲間たちが、地域とつながる新しい活動を次々と始めてくれました。

 

それは、「やさしい日本語」で外国人と語り合おうという「ひるまち にほんご」という会だったり、地域の人と国際学生や外国人住民がいっしょに防災について考える「防災まちあるき」だったり、別府市の多言語支援センターへの協力だったりといった活動です。

 

 

 

APUの国際学生たちと別府の地域の皆さんが
交流できるプログラムをこれからも継続したい!

 

こうした地域での活動は、一人ひとりが自分の興味のある分野で「まち」とつながる方法を考え、実行している活動です。

 

今回クラウドファンディングでお寄せいただいた支援金は、町に住む住民たち、古くからいる人たちも新しい人たちも、ことばや文化の違いがあっても、若い人もお年寄りも、みんなが混ざっていっしょに住む「まち」をつくるための費用に充てさせていただきたいと考えております。

 

惰性で続けていた「日本語会話練習」が、はじめのころの力をだんだん失ってきたように、みんながいっしょに住むまちをつくるためには、人々をかき混ぜ続ける力が必要だと私は思います。

 

ドレッシングを作るとき、かき混ぜることをやめると、油と酢が分離してしまうように、同じ町の中に住んでいても、かき混ぜ続けなければ異質な性質をもつ者同士はやがて分離してしまうような気がします。

 

このプロジェクトでやりたいことは、混ぜ続ける力を継続すること、たくさんのイベントを作る人たちを支援し続けることです。

 

具体的には、これまで続けてきた活動(「ひるまち にほんご」「防災まちあるき」「地域交流授業」)と、それらを継続していくための基盤作りの活動を実施します。継続のための基盤づくりの活動というのは、各活動を規模を広げるための宣伝活動と、交流の担い手となる地域のリーダーを育てるための「やさしい日本語講習会」「地域ボランティア養成講座」です。

 

これまで、一部の予算や教師たちの手弁当で何とかこの活動を実施してくることができましたが、日本中の多くの皆様に私たちの取り組みに賛同いただき、今後の活動を実践していきたいと考えております(何しろしがない日本語教師たちですから、あまりお金はないのです…)。

 

 

別府を日本一の共生のまちに。そして、世界の未来のモデル地域にしたい。

 

日本の少子化はどんどん進んでいて、政府はさまざまな政策で、日本に入ってくる外国人を増やそうとしています。

 

また、私の周りには、お父さんはマレーシア人、お母さんは韓国人、本人はアメリカ国籍を持っていて日本育ち、といった人たちがたくさんいます。近い将来、世界はほんとうに国境のないただの地球になるかもしれません。

 

そんな時代を迎えるとき、日本もいつまでもガラパゴスではいられないはずです。いろいろなことばや文化をもった人たちが互いを尊重し、平和に暮らしていくまちをつくらなければなりません。

 

そういうことをいうと、町に英語の標識を増やしたり、レストランのメニューを多言語化したりして、外国人へのサービスを強化する、といった施策が必要だ、ということになるかもしれません。

 

でも、私たちが長い間、国際学生といっしょに過ごしてきて感じたことは、どんなに行き届いた市の政策よりも、たった一言の声かけのほうが役に立つということです。

 

みんながちょっと一言声をかけあえるような町こそが多文化共生のまちと言えるのではないかと思います。このプロジェクトを通して、いつか別府が「みんながいっしょに住めるまち」になって、日本だけではなく世界のモデル都市になれたらいいなと思っています。

 

 

 

国際学生・プロジェクトメンバーからのメッセージ

 

グルシンゲ ナヴィーン ランカ

立命館アジア太平洋大学 3年生 スリランカ出身

本田先生の「『共生』できるまちづくり!」プロジェクトを応援します。私はAPUに来てから、ひらがなから日本語を学びました。これまでたくさんの地域交流イベントや、ボランティアに参加してきました。参加するたびに新しいことや、教科書では学べないことを教えてもらいました。温泉の入り方、アルバイトのやり方などを、褒められたり、叱られたりしながら学んできました。つまり「社会勉強」だったと思います。私の夢は、日本企業で働くことです。もっと日本社会を理解したいと思うようになったのも、学生時代に地域の方々と交流したおかげです。後輩たちにも社会勉強の機会を与えたいです。

 

 

返礼品について:あなたの知らない国際大学のディープな素顔をお見せします

 

■領収書

※本クラウドファンディングの領収書の発行日は、2019年4月10日(水)を予定しております。

 

■お礼のお手紙:国際学生による御礼のお手紙をお送りします。

 

■報告書:皆さまから頂いた支援金で実施した活動の報告書をお送りします。

 

■キャンパス案内:国際学生が大学をご案内します。

 

■日本語授業見学:通常、一般の方が入れない授業中の教室にご案内します。

 

■報告書にお名前の掲載:報告書に支援者様のお名前を掲載します。

 

<ご支援の前に必ずお読みください。>

※「キャンパス案内」、「日本語授業見学」などは、日程については要調整とさせていただきます。どうしても参加できない方については代替として動画レポート等に代えさせていただきます。APUまでの交通費等については別途ご負担願います。
※目標金額の達成後のギフトのキャンセル、支援金の払い戻しはいたしかねます。予めご了承ください。

※「領収証」「お礼のお手紙」は、皆様に送付させていただきます。報告書の送付や、キャンパス案内、日本語授業見学の返礼が不要な方は、ご支援時に「返礼品を希望しない」を選択ください。

※海外にお住まいの方が、本クラウドファンディングへのご支援を下さった場合には、報告書等はPDFデータにて送付させていただきます。予めご了承くださいませ。If you live abroad, if you support this crowdfunding, the report will be delivered as PDF data. Please acknowledge it beforehand.

 

 

税制上の優遇措置について


本学に対するご寄付は、所得税の税制上の優遇措置を受けることができます。
控除は「税額控除」と「所得控除」のいずれかを選択いただけます。

 

税額控除 = {(寄付金額 ※1 - 2000円)× 40%}※2

※1 当該年の総所得金額等の40%が限度額となります。
※2 所得税額の25%が限度額となります。

 

所得控除 = 当該年中に支出した寄付金の額 ※1 - 2000円

※1 当該年の総所得金額等の40%が限度となります。
優遇措置を受けるには、確定申告の際に本学発行の「領収書」の添付が必要となります。


詳細は下記をご確認ください。

 

税制上の優遇措置について(個人の場合)
税制上の優遇措置について(法人の場合)

 

※本クラウドファンディングへのご支援により、本学への選考に影響することはございません。

 


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