新年あけましておめでとうございます。

初頭に行われる行事 ”修正会” のご紹介をいたします。

修正会とは ”修正月会” の略称。

その目的は、国家泰平と先祖祭・農耕感謝・農耕予祝。

『続日本紀』によると、767年正月8日、天皇が全国の国分寺に

年頭七日間の吉祥天悔過の厳修を命じた旨の記録があり、

これが修正会の初見とみられます。

行法の中心は ”悔過(けか)”。

仏に罪過を懺悔するという意味で、罪障消滅とともに

天下泰平・風雨順時・五穀豊穣・兆民快楽が祈願されます。

村落寺院においても、古くから民間の修正会がなされ、

祖霊祭祀・農耕儀礼(農耕感謝・農耕予祝)としての

性格を強く帯びたものとして行われてきたようです。

特色としては、仏前に餅と造花が捧げられることで、

また法会に追儺(ついな)をおこなう所もあります。

 

曹洞宗の修正会は、

須弥壇上に十六善神の掛け軸を掲げ『大般若経』を転読します。

”十六善神(じゅうろくぜんしん)” とは、

四天王と十二神将のことで、もとは古いインドの神々です。

仏教の守護神として取り入れられました。

絵には四天王と十二神将のみでなく、他の神々や菩薩も登場します。

 

ちなみに当寺の場合ですが、写真をご覧ください。

中央が、釈迦如来。

向かって左、白象に乗っているのが普賢菩薩。

向かって右、獅子に乗っているのが文殊菩薩。

普賢菩薩の下の僧形が法涌(ほうゆう)菩薩。

文殊菩薩の下の女神が吉祥天。

その下、笈を背負っているのが玄奘三蔵。

寄り添っている赤い着物の童子が、

吉祥天の息子・善膩師童子(ぜんにしどうじ)。

左の、首に髑髏をぶら下げている赤い身体の鬼神が、

河に住む蛇神である深沙(じんじゃ)大王。

全体を取り囲んで守護しているのが、十六善神(四天王と十二神将)です。

 

「玄奘三蔵」は皆様ご存知の『西遊記』に登場する三蔵法師のことで、

“仏教経典の王さま” といわれる『大般若経』六百巻を、

インドから中国に持ち帰って翻訳され、その経典が日本にも伝えられました。

 

永昌寺の八世・求法宅随和尚の代に、本堂が再建されまして、

九世・傑山文英和尚の代の享和二年(1802年)三月に、

この十六善神の掛け軸が納められたようです。

寺にとって、とても重要な十六善神図がそろった訳です。

そしていよいよ、十世・物外英源和尚の代に、

今回修復が期待される十六羅漢像が納められることになるのです。

 

当寺では修正会で祈祷された御札を、

ご年始にお参りくださった方々に差し上げております。

また近くをお立ち寄りの際は、

ぜひ十六羅漢像を拝観ください。梵鐘もつくことができますよ。

 

永昌寺・副住職 布川浩久

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