去年度私はフィリピン駐在職員として、現地の資格障害者関連団体を訪問し、もし外国のNGOが視覚障害者支援のプロジェクトを立ち上げるとしたら、何をすればいいのかについて聞き取り調査を行いました。

 

でも、インタビューをすればするほど、わけが分からなくなってくるのです。各団体にニーズを聞いて行きますが、みんな、それはそれはバラバラなことを言います。

 

ある団体は、交通費が払えないことが視覚障害者の就学を阻んでいるから交通費補助金を出してほしいと言い、他の団体は、地域の学校に特別支援教育の免許を持つ教員が不足しているから教員トレーニングが必要だと言います。また、地域の学校では限界があるから盲学校に寮を建ててほしいと言う校長先生がいたり、いや教育より職業訓練が先だ、仕事がないと生きていけないと主張する職員もいたりします。

 

放課後に地域の学校へ通う視覚障害者の学習補助をする塾のようなものを開校したらと提案する人がいたかと思えば、逆に、地域の学校へ行く視覚障害者たちは放課後はマッサージの仕事をしているからそんなものを開校しても誰も来ないと言う人もいます。視覚障害児より親の教育が先だと言う人もいますし、とにかく手に職を付けて稼ぎがないと、学校にも教育支援の場にも通い続けることができないと言う人もいます。

 

どこかでいいと評価された事業は、他団体では真っ向から否定され、フィリピンの視覚障害者たちみんなが賛成するような、確実に現地のニーズに合っている事業なんてあるのだろうかと悩みました。

 

いろいろ聞き取りを続ける中で、一つだけ全員の意見が一致する課題がありました。「学校に通えていない視覚障害児が多すぎる、未就学児をどうにかしなければいけない」という問題です。

 

(次回に続きます)

 

盲学校の授業の様子
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