はじめまして。JVCイラクボランティアチームの小川と申します。職業は日本語教師です。今年の5月にJVCイラク事業の講演とワークショップに参加したのがきっかけで、このボランティアをすることになりました。
9月17日(木)の夜にJVC主催・「オレたちの「喜怒哀楽」~軍事介入されたイラク・アフガンより」というイベントが開催されました。これは、JVCイラク事業のパートナー団体INSANの事務局長アリー氏と、JVCアフガニスタン事務所のサビルラ氏を招き、自身の体験、戦争、平和について講演していただくというものです。

 

アフガニスタン事務所のサビルラ氏は、1979年のソ連の軍事介入、2001年の同時多発テロ以降のアメリカのアフガン侵攻により、物心ついた頃から戦争が日常であり、武力こそが問題解決策だと信じて疑わなかったと話します。その後、サビルラ氏はJVCと出会い、2005年にフルタイムのスタッフとして働くのですが、当時もアメリカもロシアも武力により侵攻してきたので、自分達も武力により抵抗するのだという武器への信奉は捨てられなかったそうです。しかし、JVCのスタッフと共に平和のための提言活動を続けていくうちに、次第に「武力」ではなく、「対話の力」を信じるようになったと言います。メッセージとして「日本人が持っている善の心が私たちの心の支えになっています。日本のNGOとして働くことにより安全が守られているのです。」と訴えました。

 

 

イラク事業のパートナー団体INSANの事務局長アリー氏は、バグダッドでホームレスの子ども達の支援をするボランティアを始め、1999年から本格的にNGOの活動に携わってきたと言います。イラクでは2003年のイラク戦争開戦以降、武装勢力による外国人誘拐事件などが多発し治安も悪化する一方でしたが、アリー氏は友人と共にNGO「INSAN(人間の意)」を立ち上げます。そこで、病院や保健センターへ薬を届けるために毎日県から県をまたいで活動し、当時平和な暮らしを送ることが難しい状況の中でも、イラクの人々のために最善を尽くしたと話します。2007年、そんなアリー氏に転機が訪れます。イラク北部の町キルクークから首都バグダットへ移動する乗り合いタクシーが検問所で止められ、同乗していた男性がイスラム教スンニ派であるという理由で銃殺されてしまったのです。身分証明書を見せた程度のことで人が殺されてしまうという異常事態を経験したことをきっかけに、アリー氏は平和構築、とりわけ地域の紛争の解決や、地域のリーダーの育成などに取り組んできました。現在はJVCとともに「ピース・ヤード(Peace Yard=平和のひろば)」を運営し、イラクの子ども達への平和教育、ワークショップ等を実施しています。最近は子供たちの精神的ケアにも取り組んでいます。メッセージとして「どんな国も軍事国家の下では発展できません。NGOだけではなく人と人との繋がりが平和に繋がります。」と訴えました。

 

 

現在、JVCイラクボランティアチームでは紛争で傷ついた子どもたちが専門医治療を受けられるように、クラウド・ファンディングを行っています。ご支援頂いた皆様、本当にありがとうございました。学ぶことは自信や、誇り、そして希望や夢に繋がると信じていますが、学ぶためには、まず心身ともに健康でなければなりません。イラクの子ども達のためにどうかご支援をよろしくお願い申し上げます。