絶滅危惧種シマフクロウの未来を守りたい。給餌活動・調査にご支援を!

絶滅危惧種シマフクロウの未来を守りたい。給餌活動・調査にご支援を!

寄付総額

3,543,000

目標金額 3,000,000円

寄付者
313人
募集終了日
2021年6月30日

    https://readyfor.jp/projects/jspb2021?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

プロジェクト本文

終了報告を読む

 

あたたかいご支援、

誠にありがとうございました!

 

5月10日に始まった本プロジェクトは、6月30日23:00をもって終了いたしました。

 

本プロジェクトは重複でのご支援を除き、309人ものご支援者の皆様からご寄付をいただき、6月23日には第一目標の300万円を達成、最終日の6月30日にはネクストゴールとして掲げていた350万円も達成でき、総額は3,543,000円となりました。

 

ご寄付に加えて、今後の活動に向けて背中を押していただけるような、力強いメッセージもたくさんお寄せいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。募集期間中、励まし、見守ってくださった皆様、本当にありがとうございました!

 

このたびいただいたご寄付は、給餌池の補修や生息地調査のため大切に使わせていただきます。

 

皆様のご期待に応えることができるよう、精一杯活動してまいります。今後は、応援してくださった皆様とのご縁が続きますよう、引き続き新着情報や団体のFacebookにて発信を続けてまいります。

 

私たちの活動に引き続き応援いただければ幸いです。

今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします!

 

写真はいずれも環境省提供、保護増殖事業調査中に撮影。

 

追記:2021/7/19

公益財団法人日本鳥類保護連盟

 

 

シマフクロウの保護に向けて

- 皆様へご寄付のお願い -

 

国内で北海道のみに生息する、世界最大級のフクロウであるシマフクロウ(絶滅危惧ⅠA類)。

 

シマフクロウは、古くからアイヌ民族の間ではコタンコロカムイと呼ばれ、村の守り神とされてきました。しかし我々人間が生活の場を道内に求め開拓を進めたことで、シマフクロウが営巣できるような大木は減少し、かつて北海道に広く生息していたシマフクロウは行き場を無くし、著しく減少してしまいました。

 

1984年から始まった国による保護増殖事業(巣箱設置や給餌事業、生息状況調査など)により巣箱設置や給餌事業により、個体数は微増傾向にありますが、生息が確認されている個体は165羽にすぎず、まだ安心できるような数ではありません。給餌事業や調査事業を継続させ、道内のシマフクロウの全体像を常に把握する必要があります。

 

国もかなりの力を入れて保護増殖事業を進めていますが、

その予算ではすべてを賄うことができないのが現状です。

 

そこでこの度、継続した調査費や給餌池の改修・維持に向けた資金を募るため、クラウドファンディングに挑戦することを決めました。

 

 

シマフクロウの生息数が増加し、

手放しで見守ることができる未来を目指して。

 

このクラウドファンディングへのご参加を通して、ともに、シマフクロウの未来を守っていきませんか。

 

 

 

目次

 

クラウドファンディングを通したご寄付の使いみち

 

私たち公益財団法人日本鳥類保護連盟はシマフクロウの保護に向け、環境省の保護増殖事業計画の下、活動に参画し、給餌事業、巣箱設置・管理事業、標識調査事業を請け負い実施しています。

 

そうした事業の中で、今回、皆様からいただいたご寄付は、シマフクロウの保護活動にかかる費用の一部として、国の事業費だけでは対応しきれていない「給餌池の補修と水をくみ上げるためのポンプ・発電機の購入費用」および「2箇所分の生息地調査費用」に充当してまいります。

 

給餌池の補修について

 

なぜ、給餌池が必要なのか?

魚を主食とし、河川周辺を棲み処とするシマフクロウにとっては、豊かな魚資源が必要です。

 

しかし、環境の悪化や人為的な影響により、シマフクロウが生きていけるだけの魚類が生息していない場所が多くあります。もちろん魚類が生息できる環境を作っていくことも必要ですが、それには時間がかかります。

 

そのため現状では、シマフクロウが生息し子育てしていくために「給餌池」が欠かせない場所となっています。

 

給餌池を設置し、生きた魚を給餌することで、シマフクロウの食を確保すること。さらに、安定的に生息することで繁殖成功率が上昇し、個体数の増加と分散につなげていくことが給餌事業の目的です。

 

 

 

なぜ、給餌池の補修が必要なのか?

給餌池は自然の湧水を利用するものもありますが、多くはシマフクロウの生息地に人工的な池を作ります。

 

人工的な池では、井戸を掘りポンプで水を汲み上げ、出来上がった池に生きた魚を放流し、シマフクロウはより自然に近い環境で生きた魚を捕まえます。給餌する魚は主に淡水生のサケ科魚類で、水温を低く保たなければなりません。また、冬期の低温でも凍らないよう常に地下水を供給する必要があります。

 

そして、給餌池の多くは1980年代後半から1990年代初めに作られて現在に至ります。

 

そのため、給餌池の縁の木材が腐食したり、ポンプが壊れたり、配水管が壊れたり、渇水期に井戸の水位が低下したり、暴風雪や台風などによる停電でポンプが止まり、水温の上昇と酸欠で魚が死滅したり…と、老朽化によるさまざまなトラブルに見舞われています。

 

もし老朽化した給餌池の補修を行わなければ、給餌池の縁が崩れて土砂により池が埋まってしまいます。ポンプが壊れれば水の供給が止まり、水温の上昇と酸欠で魚が死んでしまいます。さらに、年に数回起きている停電のたびに、貴重な魚が大量に死んでいる現状があります。停電が長期にわたると給餌ができなくなる恐れがあり、また、そのタイミングが繁殖期に当たった場合は繁殖が失敗する恐れがあります。

 

給餌池を維持し、安定的に給餌を行うには井戸の掘り直しや給餌池の改修が急務です。

現在、国の保護増殖事業で認めている給餌場は全道に10か所あり、その内5か所を日本鳥類保護連盟が管理しています。

 

 

 

 

生息地の調査について

 

調査のおおよその流れ

増加に伴う分布の拡大で、新たな生息地を把握する作業が必須となってきました。

 

目撃例がある未調査の場所、過去の生息地、生息環境のポテンシャルがあるものの生息が確認されていない場所、そういう把握できていない生息地を調査により見つけ出し、保護増殖事業計画に取り込んでいかなければなりません。

 

調査はさまざまな方法で実施しています。確かな情報だけでなく、不確かな情報が寄せられた場合でも、音声レコーダーやセンサーカメラを設置して調査を実施したり、現場の痕跡調査や、鳴き声の聞き取り調査などを実施しています。

 

しかしシマフクロウの生息を確認することは非常に難しく、空振りに終わることがほとんどのため、多くの手間と時間をかけることが必要となっているのが現状です。

 

 

クラウドファンディングを通して集める調査費用

今回、クラウドファンディングを通して皆様からいただいたご寄付は、調査が必要とされている地域の中から、北海道東部2か所の調査費用として、調査員の旅費や謝金、音声レコーダーやセンサーカメラの購入費用、調査データの解析費用に充てられます。

 

シマフクロウはその希少性から(北海道で165羽(環境省2017))、ひとたび生息地情報が漏れてしまうと、カメラマンなど多くの人が生息地へ侵入し、生息地の攪乱につながります。悪質になると、繁殖期に巣箱の下で待ち構えたり、執拗に追い回すなどの行為が見られ、非常に警戒心の強いシマフクロウの場合、繁殖が失敗するだけでなく、最悪の場合、生息地自体を放棄してしまう可能性が有るので、生息地情報は厳密に守られています。

 

そのため、今回のクラウドファンディングで行う調査も「北海道東部2か所」としておりますこと、予めご了承ください。

 

調査する際の機材は1か所につき2~3台が必要となりますが、長時間野外の厳しい環境にさらされて壊れることも多いため、新しい機材の補充は常に必要です。また、シマフクロウの個体数増加に伴い、調査が必要な箇所が今後さらに増えると予想され、さらに多くの機材が今後の調査で必要になっていきます。

 

 

 

シマフクロウの保護は、国の保護増殖事業計画の下で進められていますが、国の事業だけで保護活動全てが補えているわけではありません。

 

給餌事業は環境省による保護増殖事業の柱の一つですが、餌である魚は環境省が賄い、給餌池の維持管理は日本鳥類保護連盟がおこなっています。また調査においては、保護に必要な物資、人員、設備など、足りない部分は、シマフクロウを守りたいと思う多くの研究者やボランティアによって支えられているのが現状です。

 

日頃より皆様からご厚意でいただいているご寄付は、団体の運営費など継続的に発生する費用に充てさせていただいており、給餌池の改修や調査費の充填など、「活動をより充実させる」という部分まで、なかなか着手できていないのが現状です。

 

そこでこの度、クラウドファンディングへの挑戦を決めました。

 

シマフクロウを保全していくためには今後もたくさんの費用が必要となってきますが、優先的に必要な費用をこのクラウドファンディングに託し、皆様にお願いする次第です。

 

また、今回のクラウドファンディングを通して、これまでシマフクロウを守りたいと思い活動を応援してくださった皆様に今後の活動を後押ししていただく機会にするとともに、これまで活動の情報を届けることが難しかった方々にも、少しでも私たちの活動について知ってもらい、志をともにし参加していただく仲間を増やす機会にできたら嬉しく思います。

 

 

|プロジェクト概要

 

●目標金額

300万円

 

●プロジェクト実施内容(資金使途)

・給餌池の補修と水をくみ上げるためのポンプ、発電機の購入費用

・北海道東部2箇所の調査費用

 

※本プロジェクトは、期日までに集まった支援総額に応じて、給餌池の補修における範囲や設備購入費用を決定、調査回数を決定するなどして、実行内容及びその規模を決定します。

 

公益財団法人日本鳥類保護連盟とは

 

公益財団法人日本鳥類保護連盟は、鳥類をはじめとする野生生物の保護を広く普及するとともに、その保護を推進し、生物多様性の保全に貢献することを目的として、これまで74年間、活動を続けてきました。

 

現在では、以下のような事業をメインに活動しています。

 

調査・研究事業

 

調査・研究では奄美大島の希少な鳥類や絶滅危惧種のコアジサシの調査、希少猛禽類の保全のための取り組み、外来種のワカケホンセイインコの生態調査等を実施しています。

 

中でもコアジサシは渡り鳥で、日本で子育てするコアジサシも南半球で越冬するため、フィリピンやインドネシア、オーストラリアの調査者とも連携し、また実際に現地調査を行って、中継地や越冬地の把握を通した保全活動を推進しています。

 

ワカケホンセイインコは世界各地で外来種として定着していますが、それぞれがどこに由来しているかを調べるため、イギリスの研究者にDNA解析するための羽根を提供するなど、研究の協力も行っています。また、自然は希少種だけ見ていては守ることができないため、一般種にも注目し調査を実施しています。

 

コアジサシ GPS装着個体
ニュージーランドコアジサシ調査

 

国際協力事業

 

国際協力事業では、渡り鳥として日本とフィリピンを往来するサシバやアカハラダカを保全するための取組をフィリピンのNGOと協力して行っており、密猟対策や植樹、調査の為の中古双眼鏡の寄贈などを行っています。

 

また、ネパールでは現地の調査者が独自に財源を得て調査・研究や保全活動を進めていけるよう、エコツアーの定着のための取り組みや、調査技術や物資の提供も行っています。このほか、リトアニア共和国では、コアジサシを保全するためリトアニア教育大学と協同で調査を実施する傍ら、調査機材等の提供も行ってきました。

 

2019年11月 地球環境基金ネパール
2019年フィリピン集合写真

 

普及啓発事業

 

普及啓発事業では、愛鳥週間全国野鳥保護のつどいの開催や子供たちを対象にした全国野生生物保護活動発表大会、愛鳥週間を通したポスター掲示や講演、テグス拾い、親子を対象に巣箱作りと巣箱架けを指導するなど、野鳥保護につながる意識を高めるためさまざまな活動を展開しています。

 

【巣箱プロジェクト参加者の声】

・親子で巣箱作りに参加しました。正直、巣箱を作るだけの教室かと思っていましたが、どんな鳥が巣箱を利用し、ヒナを育てるには親鳥が一生懸命巣材を運んだり、エサを運んだりすることを教えていただきとても感動しました。
・子供が巣箱教室で巣箱を架けた後、毎月巣箱の観察に訪れています。息子がこんなに興味を持って観察をするなんて思いもよりませんでした。

【ヒナを拾わないで!キャンペーンにていただいた声】

 

落ちているヒナを見つけました。心配になり保護連盟さんに電話しましたが、「親鳥が近くにいるのでそっと見守ってあげてください」と言われ、最初は戸惑いました。しかし、しばらく観察をしていると親鳥がヒナに餌を持ってきて、その後親子で飛んでいきました。忠告を無視してヒナを拾っていたら、保護しきれず死んでいたかもしれません。

【愛鳥週間ポスターにていただいた声】

・毎日見ているスズメを描こうとしたら、意外と描けないことに驚きました。改めてネットや図鑑で調べてみると黒い頬の位置、複雑な羽の色に驚きました。いつも見ているようで見ていないのですね。今度はスズメ以外の鳥もしっかり見たいと思います。

・ポスターを描きながらいろいろと調べていると、鳥が生きるためには餌となる生きもや自然環境の存在が大切だとわかりました。鳥だけを描くのではなく、周りの環境も描こうと思いました。

 

日本鳥類保護連盟では、豊かな自然環境を保全していくことはもちろんのこと、都市部に点在する公園や街路樹などの緑地や個人宅の庭など小さな緑地にも注目し、それらを鳥類を始めとした生き物が利用できるよう、所有者の意識を変えるためのバードピア活動も実施しています。

 

日本で暮らす鳥類を始めとした生き物が安心して生活できる環境をいかに確保していくか、希少種の保全とあわせてこれからも色々な角度から検討し進めていきたいと考えています。

 

2019年 テグス拾いの様子

 

今回のクラウドファンディングを通して、シマフクロウという希少種の保全にかかる資金を集めると同時に、鳥類と私たち人間との関わりをともに考えていく仲間を募る機会とできれば嬉しいです。

 

皆様からいただいたご寄付はシマフクロウの保全のために使われ、シマフクロウの未来を守るための重要な役割を果たします。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

 

プロジェクトメンバーより

 

|本藤 泰朗
(公益財団法人日本鳥類保護連盟釧路支部長)
 

 

12年前から環境省のシマフクロウ保護増殖事業に関わっています。1980年代から始まった保護事業がようやく実を結び、現在では個体数が少しずつ増え始めました。それでもたったの165羽(環境省2017)。その希少性から生息地を明かせないという特殊な事情の中で、多くの保護関係者が人知れず活動を続けてきた成果です。この個体数増加の流れを止めないよう、これからも保護活動に携わっていきます。

 

 

|名執 芳博
(公益財団法人日本鳥類保護連盟専務理事)
 


 

私が阿寒国立公園(当時)のレンジャーとして弟子屈町の川湯温泉に駐在していた1984年に環境庁(当時)によるシマフクロウの保護増殖事業が始まりました。FRP製の巣箱を背負って森に入り、巣箱設置の手伝いをしたこと、ある給餌場で初めてシマフクロウと出会い、その大きさと神々しさに圧倒されたことが昨日のことのように思い出されます。


環境省や林野庁、地元自治体、多くの研究者やボランティア、そして当連盟釧路支部の連携した取り組みにより、当時80羽前後と推定されていた個体数が165羽まで回復しました。しかし、シマフクロウが安定して生息できるようになるまでには、国の事業に加えやらなければならないことがまだまだたくさんあり、皆さまからの寄付をお願いする次第です。

 

応援メッセージのご紹介

 

|竹中 健
(シマフクロウ保護増殖検討委員、シマフクロウ環境研究会代表)

 

 

大学院の研究テーマで悩んでいた30年前のある日、森の中で偶然シマフクロウに出会い、それ以来、各地のシマフクロウの研究と保護活動を行いながら日々を過ごしています。これまでの関係者や関係機関の保護努力、またシマフクロウ自身の活力の結果、現在なんとか絶滅の危機を脱しつつあります。が、とても手を抜ける段階ではありません。後世にこの貴重な生物を残すためには、更なる現状の把握と保護努力、次世代の保護活動者の育成が急務です。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

|山本 純郎
(シマフクロウ保護増殖検討委員)

 

 

幼少の頃からフクロウが好きで、その後北海道で出会ったシマフクロウに魅せられ、1982年に大阪から北海道に移住しました。当時シマフクロウは一番減少していた時期でもあり、何とかシマフクロウの役にたちたい。そう思い出来るだけ生態を明らかにして保護活動を行う人や団体に活用してもらおうと思っていました。しかし実際フィールドに入ってみると様々な保護や増殖活動をしなければいけませんでした。
 

1984年から国の保護増殖事業が始まり共にシマフクロウに携わっています。ここ数年シマフクロウの個体数は増えつつありますが、まだまだ気は許せません。この活動はさらなる発展を必要としています。
 

日本鳥類保護連盟のクラウドファンディングをきっかけに、多くの人にシマフクロウのことを正しく知っていただき、多くの人が保護活動に協力していただけたら幸いです。

 

 

|山﨑 亨
(アジア猛禽類ネットワーク会長)

 

 

シマフクロウは日本では北海道のみに生息する大型のフクロウです。主に魚類を捕食しますが、両生類、甲殻類、小型の鳥類、哺乳類等、水系沿いに生息する様々な生物も獲物とし、北海道の多様で豊かな森林・水系生態系ピラミッドの頂点に位置する猛禽であり、アイヌの方々も神と崇めてきました。

 

しかし、開発等による生息地の急激な減少、人工林の拡大による自然林の減少、魚類の減少、交通事故等により、急激に個体数は減少してしまいました。このため、日本鳥類保護連盟釧路支部では、環境省の保護事業計画の下、給餌や巣箱の設置、バンディング調査等、シマフクロウの個体数と生息場所の回復に取り組んできており、近年はわずかながら生息数は増加していると評価されていますが、将来的に個体群を維持できるだけの個体数には至っていないのが現状です。

 

北海道のシマフクロウを絶滅させないためには、複数の場所で地域個体群が存続することが不可欠であり、これまで取り組んできた成果を基に、新たな生息地を再生保全する取組が急務となっています。そのためには、環境省の保護増殖事業によって無事に巣立った幼鳥の分散先を明らかにし、その地域での生息環境の改善を図ることがきわめて重要です。

 

この度の日本鳥類保護連盟の企画は、これまで成果を上げてきているプロジェクトエリアでの保全対策を維持向上させるとともに、新たな生息地確保のための調査に取り組み、北海道の多様で豊かな生態系の象徴でもあるシマフクロウを絶滅させないためのきわめて重要なものですので、多くの方々にこのプロジェクトの意義をご理解いただき、ご支援を賜れることを心より願っております。

 

 

|舘野 鴻

(画家・絵本作家)

 

 

北海道に住むアイヌの人々は、野生生物のみにとどまらず、環境や無生物まで神が宿ると考えています。シマフクロウももちろんそのひとつで、エゾヒグマと同じようにイオマンテの儀式で送られていたそうです。

 

私たちの暮らしは自然環境にある食糧や燃料に支えられています。そうした資源は無限に埋蔵されているわけではありません。生き物の生まれて死ぬまでをつぶさに見ていくと、生き物が生き物を喰い、または喰われ、排泄される糞尿や死んだ体は誰かのエサとなり、生命は常に関係のなかにあります。そして人も本来そうであったことに気がつきます。

 

この関係のバランスが崩れたとき、この世から消えゆく種もあります。それも均衡のひとつの形かもしれません。ただ、それが私たち人の行いが引き起こしたことだとしたらどうでしょうか。ひとつの固有種がこの世から永遠に消えようとしている、というセンチメンタルな感傷に浸るだけではなく、どうしてそうなったのか、それは一体何を意味しているのか、そして私はどう振る舞えばよいのかを、少し考える必要があるように思います。

 

シマフクロウは象徴的な存在だと思います。このように象徴的な生き物だけでなく、名も知られていないどころかまだ発見もされていない生き物だって人知れず絶滅しているでしょう。私たちが暮らしているのこの環境は、野生生物たちとの共有財産です。その共有地から一方的に資源を搾取し、循環しないゴミを捨てている今の暮らしをすぐに変えることなどできないと私は思っていますし、私自身できません。


私たちは自然界の資源の循環の中にいます。そうした意識を大切に感じて暮らしているのがアイヌの人々だと思います。自分がいて自然がある、自然があり自分がいる、そうした同一感を確かめる儀式がイオマンテなのかもしれません。


自然環境は複雑な関係によって変化しているので、原因はひとつではありません。シマフクロウが少なくなっている背景には何があるのでしょうか。そこに私たちの行いが関係しているなら、共有地に暮らすものとして反省を込めて何かをする、または何かをしない必要があるように思います。

 

 

| 秋山 幸也

(相模原市立博物館学芸員)

 

 

森から立ち上がる音

 

シマフクロウにはまだ会ったことがありません。北海道を象徴する鳥のひとつであり、土地の歴史に神様と刻まれるその存在には、簡単に会ってはいけないような気がしています。

 

3年前の初夏の夕暮れ時、北海道東部のとある保護区に隣接する一般道に車を止め、静寂に耳を澄ませました。20分ほど待っていると、突然夜空に重低音が響きました。しばらく続いた2羽の鳴き交わしが音を立体にし、森の奥から空へと立ち登っていくのを見ているような気分になりました。鳴き声だけで私をこんなにぞくぞくさせてくれる鳥は、ほかにいません。

 

いつか、人間の保護や干渉を受けずに暮らす森の神に会いたい。その日を夢見て、私も賛同します。

 

応援コメントは新着情報でも随時更新中です!

 

鳥飼久裕(NPO法人奄美野鳥の会/会長)

※応援メッセージはこちら

 

 

税制上のメリットについて

 

連盟は「特定公益増進法人」に認定されていますので、ご寄付は所得税や法人税の控除を受けることができます。2,000円を超えるご寄付には、特定公益増進法人の証明書と領収書をお送りできます。個人の場合には寄付控除になり、法人の場合は損金に算入できます。

 

詳しくはこちらより、経理担当までお問い合わせください。

 

※受領証名義:ご寄付時にご入力いただいた「寄付者情報」の氏名を宛名として作成します。

※受領証発送先:ご寄付時にご入力いただいた「寄付者情報」のご住所にお送りします。

※寄付の受領日:公益財団法人日本鳥類保護連盟がREADYFORより入金を受け、正式に寄付金を受領した日となります。

 

東京都にお住まいの皆さまへ


平成20年度税制改正において所得税の控除対象寄付金の中から、住民の福祉の増進に寄与する寄付金として、都道府県・区市町村が条例で指定したものを個人住民税の控除対象寄付金に追加できる制度が創設されました。

 

これを受けて、個人都民税からの税額控除の対象となる寄付金として指定しました。当連盟への寄付金も、個人住民税の税額控除の対象となる寄付金に指定されました。寄付をした翌年の1月1日に東京都にお住まいであれば、東京都で寄付金税額控除を受けることができます。

 

詳しくはこちらより、経理担当までお問い合わせください。

 


 

その他ご注意事項

 

※このプロジェクトは目標金額の達成有無にかかわらず、支援をした時点で申し込みが確定し、その後のキャンセルはできませんのでご注意ください。


※支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合がございます。あらかじめご承知おきください。


※銀行振込にてご支援いただく際、返金先口座情報をお伺いいたしますが、All-inのため原則返金はいたしません。ただし万が一ページで約束していたプロジェクトを実施できなかった場合や、振込金額が予約金額より超過している、もしくは不足しており追加で振込まれない場合に返金先口座を利用いたします。お手数ですがご入力をお願いいたします。

 

※本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、こちらのページの「リターンに関するご留意事項」をご確認ください。

あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!

    https://readyfor.jp/projects/jspb2021?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

プロフィール

鳥類を始めとした自然環境を保全するため、普及啓発、調査・研究、国際協力を行っている団体です。普及啓発では子供たちへの環境教育に力を入れています。調査・研究ではシマフクロウやコアジサシ、奄美大島の希少鳥類、そして身近な鳥たちの保全、そして国際協力では国境を越えて移動する渡り鳥を守るため、対象国と力を合わせて保全活動を行っています。

あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!

    https://readyfor.jp/projects/jspb2021?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

ギフト

10,000


【1万円】クリアファイルコース

【1万円】クリアファイルコース

・オリジナルクリアファイル

- - - こちらもセットでお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・特定公益増進法人の証明書と寄附金の領収書
・日本鳥類保護連盟のメーリングリストにご招待
・公式サイトにお名前を掲載 ※希望者のみ
・オリジナルステッカー&ピンバッジ

申込数
75
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月

3,000


alt

【3千円】応援コース

・お礼のメール
・活動報告レポート
・特定公益増進法人の証明書と寄附金の領収書
・日本鳥類保護連盟のメーリングリストにご招待

申込数
112
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月

10,000


【1万円】クリアファイルコース

【1万円】クリアファイルコース

・オリジナルクリアファイル

- - - こちらもセットでお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・特定公益増進法人の証明書と寄附金の領収書
・日本鳥類保護連盟のメーリングリストにご招待
・公式サイトにお名前を掲載 ※希望者のみ
・オリジナルステッカー&ピンバッジ

申込数
75
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月

3,000


alt

【3千円】応援コース

・お礼のメール
・活動報告レポート
・特定公益増進法人の証明書と寄附金の領収書
・日本鳥類保護連盟のメーリングリストにご招待

申込数
112
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月
1 ~ 1/ 14

プロフィール

鳥類を始めとした自然環境を保全するため、普及啓発、調査・研究、国際協力を行っている団体です。普及啓発では子供たちへの環境教育に力を入れています。調査・研究ではシマフクロウやコアジサシ、奄美大島の希少鳥類、そして身近な鳥たちの保全、そして国際協力では国境を越えて移動する渡り鳥を守るため、対象国と力を合わせて保全活動を行っています。

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る