【2011年冬】

私の2011年締めくくりは、思い切って渡航したミラノでのコラーニ教授との面談でした。目的は、2011年に大きく滞ってしまった扇子形状の確認と、これまであたためてきた構想を伝えてコラーニ教授から協力を得ることでした。その時の一連のエピソードはこちらにまとめておりますので、よろしければご笑覧ください。

 

初めてのミラノで、どうにかこうにかお会いした久々のコラーニ教授と一通りお話した私は、最後に扇子の形状確認について切り出します。緊張の一瞬です。

 

 

「コラーニ教授、長い時間かかってしまいましたが、扇子のカタチがようやく定まりました。先日お送りしたモデルの確認はもうお済みでしょうか?」

 

「もちろんだ、オトイさん。確認させてもらった。あのような素晴らしい扇子のデザインに仕上げてくれて、私はとても幸せに思うよ。」

 

「…ということは、あの試作品の形状で…?」

 

「ああ、進めてもらってかまわない。よろしく頼む。」

 

「ありがとうございます!」

 

修正指示に身構えていた私は、あまりに意外な回答に拍子抜けしてしまいました。直後に胸の内は一瞬心躍りましたが、あの折りたたまれた和紙の反発を竹の親骨と同じように押さえ込む合成樹脂のモデルで試したり、予めデザインした「矯(た)め」の角度の微調整のことを思い出し、すぐ平静に戻りました。そして、扇子作りはまだまだこれからであることを、ミラノの地で肝に銘じたのでした。 

 

私は、東日本大震災を被災した日本の人々へのメッセージをコラーニ教授にお願いし、色紙にしたためて頂きました。

 

 

“ETERNAL FUJI-SAN”と描かれた富士山のイラストと、“Don’t give up!”というメッセージ。このコラーニ教授自筆の『悠久の富士山』は、READYFOR?の引換券にもなっています。世界的な巨匠が震災後の日本人に向けて描いた貴重な色紙です。是非、ご検討ください。

 

私は、コラーニ教授に別れを告げ、ミラノを後にしました。

 

 

10回に及ぶ「開発秘話」は、一度ここで締めさせて頂きます。お読み頂きまして誠にありがとございました。続きのお話は、またの機会に…。

 

次回よりいよいよ「国産扇子の危機」を約2000人の調査データや、かはほりあふぎを仕立てて下さる職人さんの生の声をお借りしながらお伝えします。

 

READYFOR?でプロジェクトを公開させて頂いてから本日で2週間が経ちました。本当に時間が経つのは早いです。お陰さまで現在の達成率は23%。ご支援いただきました皆さま、本当に有難うございます。まだまだゴールまでの道のりは長いですが、もっともっと多くの人にこの『ルイジコラーニ×宮脇賣扇庵×なかにしや京扇』「世界初の扇子」の事を知って頂き、また同時に「国産扇子の危機」に目を向けていただくことで、プロジェクトを真の成功に導いていきたいと思います。皆さま、引き続き、あたたかい応援を宜しくお願いいたします!

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