2015年、MECPの企画でDifferent Trainsのヴィオラを演奏させて頂きました、鈴木慧悟です。

 

この曲の演奏は弦楽四重奏の形をとっていますが、録音された弦楽四重奏の演奏や話し言葉、サイレン、汽車の音を再生しながら同時に演奏する、いわゆる一般的な室内楽曲とは全く違う異質な作品になっています。

 

自分たちで呼吸やタイミングを合わせ音楽を作っていく今まで弾いてきた弦楽四重奏曲とは違い、あらかじめ完成されている音源にこちら側が合わせていく、経験したことのない演奏の方法に窮屈さを感じ、演奏した当時とても苦労した事を覚えています。

 

その時は演奏することで精一杯だったのですが、今回このメッセージリレーを書くにあたって演奏した映像を見返し、当時感じた「窮屈さ」はもしかするとライヒがこの作品に込めたかった想いなのかもしれないと感じています。

 

ホロコースト、同時多発テロについて、その時間その場所に存在していなかった私がそうした出来事の真実、悲しさや恐ろしさを伝える事など出来るはずがありません。

 

しかしながら私は演奏家として、ライヒが伝えたかった何かを楽譜を通して感じ、皆様に音楽を通してその何かを感じとって頂けるような演奏をしなければならないし、それが演奏家としてできることだと考えています。

 

活動にご支援を頂きありがとうございます。

ライヒが作品に残した「何か」を皆様に受け取って頂けるような演奏会になることを、MECP伝説の元役員として願っております。