「いま何もしなければ」なくなってしまう琉球諸語の絵本を出版

明日26日（木）6:15pmから放送の琉球朝日放送（QAB）特別番組「くとぅばどぅ宝」は、下記サイトで予告編が見られます。予告編じたいもとっても素敵なので、ぜひごらんください！前回の新着情報で紹介した、竹富島のお絵かき・製本ワークショップのようすも予告編でごらんいただけます。

 

Qプラス「くとぅばどぅ宝」予告編（12月19日）

 

 

予告編の最後に流れる「えらぶぬ　‘まーさぬむん」は、言語復興の港のウェブページで字幕付き動画や逐語訳付き歌詞、三線タブ譜が公開されています。2つ目の動画はまさにこの特別番組の取材中に撮ったものですね。

 

 

言語復興の港の山田真寛です。QAB特別番組「くとぅばどぅ宝」のサブタイトル「消滅危機言語を守る人」は、番組の感じだと僕のように見えるかもしれませんが、毎日ひとことでも島のことばを話そうとしている一人ひとり、そして今回のクラウドファンディングを支援していただいた方一人ひとりです。

 

"Every word is a win（ひとこと発するごとに成功なのよ）"

 

10月にアメリカのパデュー大学で開催された消滅危機言語の国際シンポジウム（後日レポートします）で、言語復興の成功例として知られているハワイのKauanoe先生がおっしゃっていたことばです（発音が似ているので僕は初めてお話したときから「川之上先生」と勝手に呼んで慕っています）。言語復興は、僕らのような研究者がどんなにわーわー言っても、ほんとうに一人ひとりのアクションがなければ実現できません。そんな気持ちでQABの特別番組をごらんいただけると、うれしいです。

 

 

国連が「国際先住民言語年2019」の10年間延長を宣言

 

2019年は国連がさだめた国際先住民言語年でしたが、"one year is simply not enough（1年じゃふつうに足りないし）"とのことで、12月18日にdecade（10年）への延長が宣言されました。このクラウドファンディングのように、たくさんの方が、社会や個人の中の言語の多様性に触れて「いいなあ」と思える機会を増やせるよう、ますますはげみます！

 

 

 

リアル『ディラブディ』の風景
 

絵本とは別の用で与那国島へ行ってきました。絵本『ディラブディ』に出てくる景色を少しだけ写真で紹介します。まずはディラブディたちがアブヒティ浜へ向かう通り道、夕暮れどきの浦野墓地です。大きな亀甲墓がたくさん並んでいる現役の墓地です。

 

 

亀甲墓の間を抜けてアブヒティ浜まで、ディラブディたちのお家がある祖納（そない、与那国語では「とぅまいむら」）集落から歩いて10分くらいです。通称「四畳半ビーチ」と言われるだけあって、小さな浜です。南風の日はおだやかですが、今はほぼ雨季に入っていて北風が強く、リーフの外は大波でした。

 

 

ディラブディたちはここから入ってウブダヌ浜まで魚を突きながら行ったのね…と思いを馳せながら、写真の風景が出てくるチラ見せ朗読動画（字幕付き）をもう一度。

 

 

ご支援いただいた方、応援してくださっている方、ほんとうにありがとうございます！今日までに145人の方からご支援をいただき「支援の無い日が無い日」の連続記録29日間、更新中です！今後も応援よろしくお願いします！ないがらん　おーえん　きー　とぅらし　わり（これからも　応援　し　くれ　なされ）！