目指せ、減農薬!持続可能な農業モデルを、有田のみかん畑から。

支援総額

609,000

目標金額 560,000円

支援者
70人
募集終了日
2018年7月31日

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2018年07月09日 12:20

農薬の調査あれこれ

いつも応援いただきましてありがとうございます。豪雨は去ったものの甚大な被害が明らかになり、今なお安心できない日々が続いております。西日本各地のみかん産地の皆様も気が気ではないことと思います。今回のプロジェクトで生み出したい成果に近年増えている天候不順リスクへの備え(年1回収穫のリスクヘッジ)があります。天候に左右されない農業ビジネスを構築することは私たちにとって優先度の高い取り組みです。

 

みかん産地で新たな産業の生態系を築くことによって、農薬使用低減を目指すプロジェクト、『橘久丸商會』のクラウドファンディングもいよいよ後半に入りました。毎日毎日を大切に、より多くの皆様にお伝えしてご支援を募りたいと思います。すでにご支援いただきました皆様も、ぜひ周囲の方々に本プロジェクトをご紹介・ご推薦いただけますと大変嬉しく思います。

 

ここからは、特に大切な情報を共有させていただきたいと思います。

地元で農家の方々複数名にヒアリングさせていただいた内容の中で、私が最もお聞きしたかったこと。それは、1年の間にみかん栽培にかかるお金の中で、農薬関連費用はどのくらいのウェイトを占めているのか、でした。


まず、ある農家さんからお聞きした「どんな項目にどれほどのお金がかかるのか」について見てまいりましょう。※どのくらいの広さの畑をお持ちかなどの詳細は押さえていないのでご参考情報として御覧ください。

 

1.農家さんヒアリングの結果

 

①人件費(収穫時期などの繁忙期に人を雇う費用、年によって違う)

 

②肥料(20万円程度)

 

③夏場の灌水【かんすい】(10万円程度)

 

④農薬・除草剤等(140万円程度)

 

⑤その他の例1. モノラックのメンテナンス

(レール敷設7,000~20,000円/m、設置におよそ500万円)

※急傾斜の山地に敷設して収穫したみかんを運搬する設備です

 

⑥その他の例2. 平地の農薬飛散防護フェンス(設置におよそ40万円)

※住宅地に隣接する平地の畑で近年設置が増えているそうです

その他の項目は、お金がかかる年とかからない年があるそうです。

以上、ざっくりした支出の例でした。

 

次に、下記のグラフは先の農家さんの平成28年度の支出内訳の例です。

通帳から数字を拾っていただいたものなのでざっくりしていることは、

どうかご了承ください。

※人件費には農家さんご本人分は含まれておりません。

 

こうして見ると、農薬が突出していますね。別の農家さんたちにも同様のヒアリングをしましたが、「農薬は40~50%程度」という答えが返ってきまして、皆さん「農薬の割合が多い」とのご認識でした。多くの農家さんにとって、農薬関係費用が大きな割合を占めているのは間違いなさそうです。生産性にも関わるので単純にはいきませんが、これを削減できると経営的にも大きなインパクトを生み出せるかもしれません。

 

2.ある農家さんの農薬使用についてのコメント

 

残念ながら、お顔を出すことはNGでした

次に、慣行栽培農家さんの具体的な農薬関連コメントも少しご紹介します。

 

『昔は農薬に臭いもなくて、肝臓腎臓を悪くして早死にする人も多かった』

 

『農薬は名前がすぐ変わるんで、中身のことはようわからん』

 

『最近、あんまりクワガタを見んようになった。

 農薬がニーゼの木(ニレの木)に飛んで、殺してまうからや』

 

『最近の農薬は、昔の農薬より薄いような気がしてる。

 効きが悪いんで、どうしても散布回数が増えて、費用もかさむ。

 年間11回、カイガラムシ、黒点病など、いろんな種類をやっている』

 (※畑地に棲息する生物の薬物耐性が進行している可能性

 ⇒農薬使用の悪循環を示唆

 

中身を詳しくわからないまま農薬を使われることは少々心配になりました。生態系への影響へのご自覚もあるようです。また薬物耐性の可能性など、私たちの活動レベルでは調査のしようがない部分への言及もあり、とても気になりました。

 

少々話がそれてしまうことをお許しください。

 

私自身は日頃から科学的態度を持して事象に臨みたいと願っています。例えば研究室・実験室レベルの農薬の安全性に関わる公開データと、研究室・実験室を離れ、不特定多数の農薬知識が充分ではない使用者が存在して、それぞれの畑で思い思いに生産活動を行う現場で生じる事象は切り離して考える姿勢で、このプロジェクトにも臨みたいと考えています。

 

現場で起きていることを可能な限り自分たちの五感を駆使して確認し、1次データを取得し、自分たちで分析して知見を深めたいと願っています。また世の中に流れる情報には惑わされず、課題解決の進展を妨げる感情的な反対や拒絶に陥らないよう、立場や価値観の異なる方々と共に粘り強くプロジェクトを推進してまいります。

 

3.農林水産省が公表するみかん農業経営費

 

最後に、先程の聴き取り調査よりも、もっと本格的にみかん農業の経営費を調べた農林水産省の調査データをご紹介します。※こちらより抜粋・加工

 

経営費のお話に入る前に、2016年のみかんの生産量(都道府県別ランキングはこちら)は、和歌山、愛媛、静岡の順で多かったそうで、愛媛と静岡の水準は例年大きく変わらず、首位の和歌山が揺るぎないポジションにいる状態が続いています。

 

その前提で、農林水産省の和歌山県と他のみかん産地の農業経営費・労働時間のデータを御覧ください。

 

和歌山の農薬関連コストは、全経費のうち14%、労働時間の18%

 

①農業経営費

農林水産省「品目別経営統計」より作成

②労働時間

農林水産省「品目別経営統計」より作成

3県平均で農業経営費の内訳をみると、「種苗・苗木」がトップで構成比12%、ほぼ同水準で「農業薬剤(農薬)」が続きます。和歌山の構成比は約14%で静岡より低いものの、10aあたりの農薬の使用金額で見ると、和歌山がトップとなっています。やはり生産量と農薬の使用量は比例しているのでしょうか…。農薬関連の作業時間では、和歌山と静岡は同水準となっています。

 

愛媛の農薬経費の構成比が6%、金額も他の2県の半分以下と極端に低いのが気になりますが、まだ見解を持つに至るだけの情報や知見を持ち合わせておりません。ぜひお詳しい方からご教示いただけますと大変嬉しく思います。

 

なお、農林水産省の上記データについてのコメントは以下の通りです。

 

栽培の現状

『農業経営費の内訳を見ると、種苗・苗木、肥料、農業薬剤、農用建物の割合が高くなっている。これは、ニーズの高い品種への改植や生産効率を高めるための園内道等整備を推進していることに加え、品質の高い果実を生産するために施肥、防除を重視しているためである。

また、労働時間は10a当たり236時間で、作業別には、収穫・調製が約3割を占めている。これは、収穫物の運搬作業の機械化が遅れていることに加え、

みかんは他果樹に比べ10a当たり果実個数が多い上、はさみでの収穫が必要なことが大きな要因となっている』

 

作業時間の長い収穫・調製作業を軽労化することが重要
『みかん栽培は、収穫・調製作業に労働時間が集中している。農業者の減少と高齢化が進む中、作業の省力化・軽労化を図ることが急務である。経営規模に合わせた園地の整備を進めることにより、高品質果実生産を維持しつつ労働時間を削減することが重要である』

 

ポイント

■農業経営費では、種苗・苗木、農用建物、肥料、農業薬剤の割合が高い。

 高品質果実の生産を維持しつつ、これら経費を削減するための工夫が必要。

 

■労働時間では、収穫・調製の割合が高い。経営規模に合わせた園地の

 整備を進めることで、収穫物運搬時間の短縮が重要。

 

以上です。

 

引き続き、公開データから学ばせていただくと共に、現場の生きた情報から、農薬の使用を減らす様々なヒントや解決策を探っていきたいと思います。

 

次回投稿では、上記のような生産現場の現状の中で、ある自然栽培みかん農家さんにコンタクトを取らせていただいたときのエピソードをご紹介させていただきます。実は、私にとってとても悲しい出来事だったのですが、この想いを皆様にも共有いただきたいため、どうかお付き合いいただけましたら幸いです。

 

リターン

3,500


サンクスレター+特製クリアファイル

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●サンクスレター
●橘久丸商會特製クリアファイル

申込数
4
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年8月

11,000


虹のネ農園・自然栽培みかんのみかん番茶・陳皮パウダーセット

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●みかん番茶 リーフ100g 1袋
●みかん番茶 ティーバッグ3g×33個
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●橘久丸商會特製クリアファイル

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申込数
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在庫数
8
発送完了予定月
2018年8月

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4
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発送完了予定月
2018年8月

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申込数
2
在庫数
8
発送完了予定月
2018年8月
1 ~ 1/ 16

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