支援総額
目標金額 3,000,000円
- 支援者
- 166人
- 募集終了日
- 2023年10月31日

#狂言を未来へ|伝承の危機にある演目を公開収録し、後世へ残したい

#地域文化
- 現在
- 1,411,000円
- 支援者
- 130人
- 残り
- 33日

【自らの手で野菜を】カンボジアの孤児院にビニルハウスを寄贈したい

#子ども・教育
- 現在
- 811,000円
- 支援者
- 34人
- 残り
- 13日

地域文化を残し、課題を創造的に解決する 『めぐる、友の会』会員募集

#地域文化
- 総計
- 100人

一人でも多くの難民に~日本での生活を支えるために継続的な支援を
![AAR Japan[難民を助ける会]](https://readyfor.jp/s3/readyfor-img/user_images/432264/thumb/19a46a42b5601b79b2b1c6729babf0c1897975c7.jpg?1650852531)
#国際協力
- 総計
- 16人

みんなのガッコウのサポーター募集!農業と食の未来を存続させていく為

#子ども・教育
- 総計
- 6人

北海道で一番小さな村を盛り上げたい!マンスリーサポーター募集!

#地域文化
- 総計
- 29人

KOMAGANEから元気プロジェクト『マンスリーサポーター募集』

#地域文化
- 総計
- 0人
プロジェクト本文
終了報告を読む
第一目標達成の御礼とネクストゴールについて
このたびは、つくだ農園の新たな拠点「野庵」づくりに向けたクラウドファンディングに、多大なるご支援をいただきありがとうございます。9月4日に開始したプロジェクトは、おかげさまをもちまして10月4日に第一目標金額として掲げる300万円を達成することができました。
公開前は、この取り組みにご賛同いただけるのか、大きな不安を抱えておりました。しかしながら予想を遥かに上回るたくさんの方からのあたたかいご支援、そして応援コメントに大変励まされ、今日を迎えることができました。改めて心からの感謝を申し上げます。
今回のクラウドファンディングの一番の願いは、たくさんの人と想いを込めた「野庵」を作り上げたいということでした。今日までに直接のお申し出を合わせると130人以上もの方にご支援をいただいていますが、クラウドファンディング最終日まで一人でも多くの方に仲間になっていただけることを願って挑戦を続けさせていただきます。
ネクストゴールは500万円です。実際「野庵」の建設にあたり、自己負担金額は3,000万円強とまだまだ不安を抱えているのが現状です。皆様からいただいたご支援は、引き続き「野庵」にかかる工事費用の一部として大切に使わせていただきます。
どうぞ引き続きあたたかい応援・ご支援の程よろしくお願いいたします。
2023年10月4日追記
Organic is Ordinary.
〜毎日の“あたりまえ”に〜
京都大原で2009年から有機農業を営んでいるつくだ農園です。
有機野菜が特別なものではなく、
あたりまえにあるものとして広がってほしい。
そんな想いでさまざまなことに取り組んでまいりました。
今を生きる私たちの糧となるような有機農業の広がりを目指して、
新しい農産出荷作業所と農業体験施設、
および直売所を開設いたします。
つくだ農園は小さな農園ですが、
想いは誰にも負けません。
そんなつくだ農園の応援サポーターになっていただけませんか?
01:ごあいさつ
02:プロジェクトのきっかけ
03:プロジェクトの詳細
07:応援メッセージ
こんにちは。私たちは、京都大原で有機農業を営むつくだ農園と申します。夫と妻の家族経営で、従業員は10人未満のちいさな農園です。
このつくだ農園は2006年にまだ学生だった私たち夫婦が始めた農園で、有機農家の方に弟子入り後、2009年に独立しました。初めて大原の畑に出会った時、その風景の美しさに惹かれて農業を始めました。また、田んぼを駆け回る子どもたちの姿や、畑の中で出会う虫やケモノ達にさえも感動しました。
畑を取り巻く自分たちも含めた多くの生き物たちの命を大切に考えた時、農薬や化学肥料を使うのではなく、身の回りの資源を循環させながら営む有機農業が自分たちに最もふさわしいと感じました。以来、一貫して有機JAS認証を受けた野菜作りを続けています。
■ つくだ農園の4つの特徴 ■
京都市内から最も近い農村でもある大原は、ここ十数年で新規就農が相次ぎ、野菜づくりが盛んな地域です。私たちつくだ農園は、大原三千院のある魚山(ぎょざん)のふもとに広がる棚田エリアを主として、そのほかの圃場も合わせ大原地区で約1.5ヘクタールの農地を管理しています。
ハウスなどの施設を持たない露地栽培で、年間約60種類の野菜を育てています。すべての農地で、有機JAS認証を取得しており、農薬や化学肥料を使わない方法で野菜づくりをしています。また肥料には、できるだけ自分たちの住む地域の近い場所で出た資材を利用しています。

例えば、京都の美味しいごま油屋さんから出る、胡麻の搾りかす。滋賀のおいしいソフトクリームを作っている酪農施設から、牛糞堆肥。愛知にある美味しい昆布屋さんの昆布カス。福井県にあるサバのなれずし工場から出る魚カス。
それから、自分たちの暮らす大原地区内にある天然飼料のみを与えている平飼い養鶏場の素晴らしい鶏糞。他にも、子どもたちの通う大原小中学校(一貫校なのです)からは、毎年秋に大量の落ち葉をいただき、雑草を抑制したり、微生物を活性化させるためのマルチ(土壌の表面を守るもの)として活用しています。
育てた野菜は、すべて自分たちで収穫、袋詰めして販売先に出荷しています。就農したばかりの私たちの野菜を購入してくれた、出町エリアにあるレストランさんには今でも週2回配達に出ています。

ほかにも、ホテルやミシュラン星をとっているようなお店にも野菜を配達していますが、それだけでは食べる方に偏りが出てしまいます。なにより「Organic is ordinary.」に近づくために、もっと誰もが手に取りやすい日常的に買い物をする場所へも出荷を始めました。京都生協や、各地区にある小さな八百屋さんなどです。
また、京都以外のお客様にもお届けしたいと、2016年に有機野菜の直送ボックスを始めました。これは、毎回10品の有機野菜が入る野菜ボックスで、定期購入を前提としています。季節によって同じ野菜でも味が変わること、どんな野菜にも旬があることを知り、「身土不二」を知らず知らずのうちに実践することになるのが直送野菜ボックスです。ECサイトを利用することで、今では毎月約300箱出荷するまでに成長しました。
2017年には、6次産業化といって農家自らが加工品を手がける事業を始めました。同時に、従業員さんの待遇をより良くするために農園を法人化しました。
加工所は自宅敷地内に新設し、瓶詰め製造、漬物製造、菓子製造の許可を取得しました。栽培する野菜には必ずある程度、形の悪いものや販売できないものが発生します。そういった野菜で、野菜ジャムやピクルスを作ったり、大原地区の特産品でもあるしば漬けを製造しています。また、イベントに合わせてそれらの加工品を活用した焼き菓子を製造することもあります。

加工品の製造をすることによって、畑の野菜を無駄なく使い切ることができます。よく、売れずに捨てられる野菜を安く譲って欲しいという依頼をいただきますが、つくだ農園では売れない野菜があっても加工品に利用するため、捨てる野菜はほとんどありません。
法人化し、雇用を安定させることによって働きたいと希望してくださる方も増えました。有機農家として数年後に独立したいと考える研修希望の方や、アルバイト、正社員など、現在さまざまな立場の方が働いています。嬉しいことに、大原地区内での雇用も増え始めています。今後も、つくだ農園の農業に共感する方を積極的に雇用していきたいと考えています。
2019年から始めた「農業塾」は、有機農業を1年を通じて学ぶことのできる体験型の講座です。貸し農園のようにそれぞれやるのではなく、みんなで1つの場所を耕します。春夏野菜をつくったら、同じ圃場で今度は秋冬野菜を育てる。私たち農家が行う「農業」にかなり近い農作業体験をすることができます。
当初は大人だけを対象にしていた農業塾ですが、2020年に家族での参加も受け入れ始めると参加希望者が増加。10組限定の枠はすぐ埋まり、登録人数は50名近くになりました。子どもも大人も一緒になって、毎月2回で年間20回一緒に農作業をしました。最後の方には、みんなとっても仲良くなり、一つの大きな家族のようでした。
有機農業に関わりたい人は、農家になりたい人ばかりではない。野菜作りを体験すると、よりいっそう有機農業への理解が深まり、私たちつくだ農園を支えてくれる心強い理解者になってくださることがわかりました。
現在この新たな拠点づくりのために休止していますが、この新しい拠点が完成したらそこで新たなプログラムを編成し再開する予定をしています。
気がつけば就農から15年ほど経ち、初めは、夫婦2人だった家族も増え、やがて一緒に働く従業員さんも増えてきました。自分たちにとって美味しくて安全であればよかった野菜が、家族や従業員さんにとっても安全で、なおかつ購入いただくお客様にとっても安全で美味しいと感じていただける野菜作りへと変わってきました。
これまでも研修制度やオーナー制度など、新しいことにたくさん取り組んでまいりましたが、野菜を皆様にお届けするために大切な出荷作業所がどんどんと手狭に。現在の出荷作業所は、元々自宅敷地内にあったプレハブをそのまま使用しているため、狭くて万全の環境とは言い難い状況です。
修理の必要が出てくるたびに自分たちの手で直し直し大切に使ってきましたが、そろそろ限界。なんとかしなくては!と考えていたところ、ご縁があり、同じ町内にある古民家を良心的な価格で購入することができました。
その古民家は現在よりもとても広く、出荷作業所以外にも私たちがやりたかったことを実現するためにも、申し分ない物件です。
しかし、内部はたくさんの物で溢れ、片付けから始めなければなりませんでした。
作業の合間をぬって、コツコツと片付けを続けること早3年。ようやく片付けが終わり、リフォームの準備が整いました。

私たちはこの古民家を「野庵(のあん)」と名付け、出荷作業所としてだけではなく、つくだ農園の新しい拠点として活用することとしました。
出荷作業エリアは、全面土間敷きで床面排水溝を取り、床を水洗いできる設計です。多少の泥汚れも全く気にならずに作業できる設計です。風通しの良い構造にして、夏でも熱がこもりにくい設計になっています。また、日光を嫌うジャガイモなどを貯蔵できる窓のない貯蔵庫も併設します。コンテナ型の冷蔵庫を置いて、傷みやすい野菜を保管することができるようにします。さらに、現在は別棟になっている事務所を同じエリアにおいて、出荷作業とのやり取りをスムーズにします。
出荷作業エリアの充実によって、これまで、野菜を置く場所がないからという理由でできていなかった作付け面積の増加も、出荷量の増加もできるようになる計画です。
古民家エリア
古民家エリアには、農作業体験スペースと、直売所、農産加工所の機能があります。古民家らしい意匠を残し、今ある古い柱や天井を綺麗に磨いて甦らせるプランになっています。なかでも、天井裏に残っていた煤(すす)竹は、一度外したのちに洗って張り直します。(こちらは予算の都合上、私たち自身でやる予定です)玄関土間も復活させ、かつての茅葺の暮らしを感じることのできる造りとなります。
農作業体験スペースは、煤竹天井の下の板間で「有機農業塾」で行なっていた味噌作りや、しば漬け作りなどの加工体験をしたり、ほかにも講演会や食事会などを行いたいと考えています。
直売所は、入り口すぐの玄関土間にあり、つくだ農園の野菜や加工品を販売するファームスタンドとなる予定です。とれたての野菜やここでしか購入できない加工品などを販売します。農産加工所では、野菜ジャムを製造したり、焼き菓子、ジェラートなどを製造する予定です。
大原小出石町の北橋のたもと、道より高野川側の一段低い敷地に建つ、詳年不明ながら築100年以上のこじんまりした板金覆い茅葺屋根の母屋に昭和30年代の増築部が繋がった古民家、が初めて出会ったときの野庵の姿でした。
個室やガス水道対応のキッチン、浴室、トイレの確保設置といった近代的生活に対応する為の改修増築は、前近代的な母屋を犠牲にしがちだったようで、積雪や大雨に不適な長い水平の谷を屋根に造ったり、間取り優先で母屋の構造上大切な隅柱などを撤去したり、といった矛盾や問題を様々生み出していました。 まるでこの家ができて以来の社会や意識の変化とその矛盾や問題をそのまま映し出しているかのように。
例えば、茅葺屋根は本来その近場で採集できるススキや葦などの草で、村の相互扶助であるユイと職人によって葺かれ、屋根から降ろした後は堆肥として利用される循環の中にありましたが、それが次第に機能しなくなり、防火上の法規制等もあって、減少していきました。一方で、ここのように板金で覆われた茅葺はかつての循環の中にはありませんが、その形姿は集落の景観を形作る大切な要素であり、かつての循環を記憶として現在と未来へ繋げてもいます。
こうした矛盾や問題点と可能性が様々に混在するこの古民家をつくだ農園さんの作業場とするという観点から、打ち合わせを重ね、整理してまとめたのがこの改修計画です。
主用途の作業場と販売所と加工厨房は、作業的に水洗い可能な土間が主体で相互の機能的関連性と、道から一段下がって、雨や雪など水や湿気の溜まりやすくなる敷地状況を踏まえ、簡単な工事ではありませんが、母家躯体を一度ジャッキアップして母屋と増築部全体に連続する基礎を設けて構造的に一体とし、同時に地面からの湿気も防ぎます。 また一段下がる敷地形状を生かして、茅葺部と増築部の屋根架構を整合性のある屋根形状とします。
通風や敷地周辺への眺望をあらためて場所との新しいつながりをつくり、茅葺屋根下の煤竹は再利用し、外壁は作業場らしく粗い板張りにするなど、かつての部分と新しい部分が組み合わさって新しい調和を生むように。
ここでの農業塾や販売所を訪れる人々や出荷される農産物や加工品を通して、つくだ農園さんが有機農業を社会の中で循環させ、今から未来へと繋げていく為の場として、改修していきます。
建物のある周辺の自然環境に配慮し、またそれらをうまく利用するリフォームです。誰にとっても心地よく、ここに来ればいつでも有機農業に触れたり、自然を感じることができ訪れる人たちの心や暮らしの糧となるような場所になればと考えています。
「野庵」では、新しい内容で農業塾を再開する予定です。有機農法で野菜を育てる体験を軸にしながらも、野庵のある大原小出石町の「野」としての機能を体験できるようなプランも盛り込みます。例えば、お茶作り、夏には川遊び、炭焼き、田んぼ、山菜取りなど。もちろん、味噌作りや漬物作りといったこれまでの農業塾で体験した農産加工品作りも体験します。
野庵の目の前は小さな棚田になっており、そこを降りてゆくと高野川の源流となる川が流れています。すぐ後ろにある山からは農業用水が流れていて、「野庵」にその水を引き込んで活用する予定となっています。
小出石町ではかつては、この農業用水がどの家庭にも流れ込むように引かれていて、洗い物などに活用していたそうです。実際、私たちの自宅でも敷地のすぐ脇に水路が通っていて、今ある農作業小屋では野菜を洗うために利用しています。実に豊かな水が、1年を通じて枯れることなく流れ続けています。

農業がその地域の環境と有機的につながっていて、暮らしも含めた農村文化が育まれていたのです。野山にちかい農村だからこそ体験できる農業塾を、「野庵」で実践することを考えると、あれもこれもできそうでとってもワクワクします。
今回、私たちがクラウドファンディングに挑戦しようと考えたきっかけは、「野庵」をたくさんの人たちと作り上げたいと思ったからです。もちろん、実際に作業するのは大工さんなのですが、竣工までにたくさんの人の想いを集めて完成させたいと考えました。
クラウドファンディングを通じて、支援してくださった皆様と「野庵」の完成を祝う。これが今の私たちの大きな目標です。
実際プロジェクトにかかる費用のお話をすると、その総額は5200万円にのぼります。農業政策の公的補助金事業に採択されているため、うち3〜4割ほどの補助金を受けていますが、残りは全て融資にて補う必要があるのが現状です。ぜひ私たちの想いに共感してくださった皆様のお力をお借りできたら幸いです。
クラウドファンディング概要
第一目標金額:300万円
資金使途:大原地区で使われなくなった古民家の、状態の悪い増築部分の取り壊し工事および新築工事、茅葺き屋根躯体の保存工事およびリフォーム工事
工事スケジュール※予定
2023年6月:解体完了
2023年7月:基礎工事スタート
2023年9月:出荷作業エリア工事スタート
2023年11月:古民家エリアリフォームスタート
2024年3月末:竣工および検査完了
「野庵」は私たちが自分たちだけで使うための場所ではなく、多くの人に開かれた場所でありたいと考えています。できることなら、今回ご支援くださった全ての皆様にオープニングパーティに来ていただきたいとも考えていましたが、小さな集落にある「野庵」にあまりにたくさんの方をお招きするわけにはいかず、泣く泣く断念しました。
ですが、「野庵」はこれからも続いていきます。ふとした時に思い出してもらえたり、近くに来た時に訪ねてもらえるような場所であり続けたいと思っています。「野庵」を介して、ご支援くださった皆様や、多くの方々と繋がっていく未来を願って。皆様の応援、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
農業の担い手が減っている。農村エリアの人口が減っている。
日本が抱える大きな課題である人口減社会の縮図とも言える、山間エリアの農業の実態です。
一方私たちは、その環境を魅力と感じ移住して、農業を営み、事業の中で人材育成や体験による関係人口を増やすなどを実践しています。単に、有機野菜を生産するだけでなく、人に関わる事業をしつづけることが、私たちの大きな特徴でもあります。
大原地域を活性化したいとか農村の担い手になりたいとか、大それたことは言えませんが、関わる人を増やし担い手を育てることがいつしか地域づくりそのものになっていくのではないかと考えています。
私たちの大学院学生時代に大きなテーマだった「ソーシャルイノベーション」という言葉があります。
これは、社会の課題を事業や実践などを通じて解決したり大きく変化させることを意味しています。私たちつくだ農園は、まさに有機農業を通じて野菜作りだけでなく人づくりもしている農園です。そして、私たちの有機農業を軸にして、人々が農業や農村環境に関心を持ち、保全や活用に積極的に関わってくれる社会になる。
野庵は、その活動をより一層多重的にしてくれる場所になる。そう考えています。
野庵は、かつての日本では当たり前だった茅葺屋根のある母屋を大切にリフォームします。もしかしたら、全部潰してから建て直したほうが早いし安いのかもしれない。生産や出荷、保管だけを考えると、鉄筋コンクリートのプレハブ建築様式の方が使い勝手が良いのかもしれません。
でも、茅葺の屋根の家には、農村文化の知恵と工夫が詰まっています。土間や囲炉裏、煤天井や屋根裏。全ての場所に必要性と機能があり、有機的に関係しながら存在しています。家が呼吸をしているかのようなその造りに、私たちの有機農業に通じるものを感じています。
また、小出石町という小さな旧道沿いに家が軒を並べる小さな集落で、各家の庭に面した道路には1年中様々な花が咲いているような美しい場所に、その地域の文脈を崩すことなく連なる建物として「野庵」はあります。
慎ましくも、美しく逞しく生きてきた小出石町の人々の歴史の中で「野庵」がさらにその地域の価値を守り育てていくような場所になればと考えています。
最後に、「野庵」のプロジェクトを通じてどのような社会になることを目指しているのか、私たちの想いをお伝えいたします。
01:「野庵」での購入や体験を通じて、日常生活に自然の循環が取り込まれる
普段の生活の中で、山へ芝刈りに行ったり野で獣を狩ったりは、できないのが私たち現代人です。けれど、野庵で過ごすことで、自然との連なりの中に身を置くことができ、知らず知らずのうちに自然の循環の中に生きることを実感することができると考えています。
それは、買い物を通じてかもしれませんし、農業体験を通じてかもしれませんし、ただ「野庵」を通り過ぎる瞬間に感じることができるかもしれません。何かの瞬間にふと「野庵」のことを想い生まれる選択が社会を変えていく力になればと思っています。
02:環境に負荷のない農業が身近にある社会が生まれる
「野庵」では、有機農業を営むだけでなくできる限り環境の負荷のない方法で代用できることは代用したいと考えています。現在も活用している薪ストーブや、山水利用をさらに進め、今後は太陽光や温水利用なども視野に入れる実験的な場所にしていきたいと考えています。
そのような場所を通じて生産された野菜を、誰でもが手に入れられる場所にお届けすることで、もっともっと環境に負荷の少ない農業が身近になればいいと考えています。
03:消費者としてだけでなく、参加者として有機農業を支えることができる
買い物を通じて有機農業と関わるだけでなく、農業塾などに参加することでよりいっそう有機農業に参加することができる場を生成したいと考えています。
消費だけだった生活に生産が加わると、食べ物や農業、農村社会への見方が大きく変わります。これまで、農業塾を開催するたびに感じてきた参加者の皆さんの大きな変化を「野庵」でもっともっと広げていきたいと考えています。
04:農村社会と有機農業の持続性が高まる
農村は果たして、これからどんどん廃れていっていい場所でしょうか。私たちはそうは考えていません。農業は、なによりも大切な産業だと思っていますし、その機能は食糧生産だけにとどまらず、生物の多様性、景観保持、山と里との間で環境を保つバッファ機能など、実に多様に語ることができます。
「野庵」で、農業研修生を育てたり、農業塾などで関わる人が増えれば増えるほど有機農業への関心が高まり、ひいては農村社会の持続性が高まっていくと考えています。
05:命のつながりのなかで生きることを感じる社会になる
私たちは農業という仕事に誇りを持って取り組んでいます。どうしてこんなに農業が好きなんだろうと考えてみると、畑でいつも出会う虫や動物たちのことや、古い石垣のある棚田の風景、たわわに実る野菜の姿が思い浮かびます。どれも皆、互いに関係を保ちながら生きています。
良好な関係ばかりではないけれど(食ったり食われたり……)それでも相手がいなければどこかでバランスを崩してしまう、お互いに大切な存在です。農業ってつまり、膨大な命のつながりの中で営まれているのです。私たち自身はその連なりの中の、ある一点でしかない。その大切な一点を守らせてもらっていることへの誇り。これが、農業に携わる私たちの感じている誇りです。
有機農業を体験する、身近な場所で有機野菜を手に取る、そういった行為もまた、命のつながりです。「野庵」では、より一層深く楽しく、そのつながりを感じる場所にしたいと考えています。
「野庵」が出来上がったら、そこからまた私たちの新しい旅が始まると考えています。次の目標は、「Organic journey. 命のつながる旅を続けよう」です。
これからも、有機農業が、そして農村社会が持続していくよう、つくだ農園のできる限りの努力を重ねたいと考えています。
とても長い文章を読んでくださり、ありがとうございました。皆様からの温かいご支援を心よりお待ちしています。
ここからは、つくだ農園「野庵」プロジェクトを応援してくださる皆様からのメッセージをお届けいたします。素晴らしい方々からの激励の言葉をとても嬉しく思っています。(お名前五十音順)
九州大学・同志社大学名誉教授 今里滋様
2006年、私と同僚の新川達郎教授が中心になって、同志社大学大学院総合政策科学研究科にソーシャル・イノベーション研究コース(SI)を開設しました。「社会課題の解決に自ら挑戦する行動的研究者を育成する」というのがその趣旨でした。その第一期生の1人として入学してくれたのが民さんです。その翌年度には雄人さんが入学しました。
このコースで私たちが重視したのは「命と食と農をつなぐ」研究でした。そのために、大原に農家キャンパス農縁館が付属した農場を設けました。大学が法人として農地を賃借するのは例がないと言われました。この農場で私たちは“百姓”としての大学院生の育成を目指しました。百姓とは百の職能をこなす農のプロフェッショナルのことです。しかし、世に農学部はあまたありますが、専門分化された現在の農学部に総合職としての百姓育成を期待することは制度的に無理なのです。
私が雄人さんに勧めた研究テーマは、「大原で有機百姓になって地域社会を変える」でした。理由は彼がいかにも農業向きの面構えをしていたからです。私は「農地・指導者・販売先」が確保できれば非農家出身者でも農業で成功できるという仮説を立てていました。
雄人さんと民さんは大原農縁館で暮らしながら有機農業を学び、実践し、私の仮説を見事に実証してくれました。有機農家としての彼らの成功はやがて大原という、それまで過疎や少子高齢化に悩んでいた農村コミュニティを有機農業の里に変え、子どもも増えるというイノベーションをもたらしていくことになります。今回の渡辺夫妻のプロジェクトは、そうしたイノベーションの第3フェーズだと私は見ています。
島根県智頭町にタルマーリーというパン屋があります。交通不便で辺鄙な田舎のパン屋に韓国からもファンが押し寄せてきます。それはパンの本質を提供しているからだと現地を訪れた私は感じ入りました。今回企画されている渡辺夫妻の新しい拠点が、「大原」という地域ブランドに頼らず、「命と食と農をつなぐ」という本質的価値に優れた製品、サービス、そしてイベントを提供してくれるものと心より期待しています。
宿や日々オーナー 釜萢誠司様
例えばつくだ農園のトマトをひとかじりした時、湿った土の匂い、ジリジリと照りつける太陽、霧に包まれた雨上がりの山々、そして渡辺さん達の顔、といった大原の畑にまつわる色んな光景を思い出すことができます。これは本当に本当に豊かで幸せな事だと、2年間家族で有機農業塾に参加しそのように実感しています。
農業塾という渡辺さん達が用意してくれた小さな社会は、自然とは切り離された場所に住む私達参加者にとって、とても心地の良い空間でした。それは大原の自然の循環の中で営み、農業を実践されている渡辺さん達のおおらかな人柄が作り出すものだとも思います。
また渡辺家は有機農業のプロフェッショナルなのは間違いありませんが、農業以外でもとても魅力的な営みをされている方々です。鮎釣り、キノコ採り、漬物作り、ジャム作りなど挙げ出したらキリがありませんが、新しく生まれる「野庵」では、今までの農業塾には無い、そのような農村での様々な営みを体験できると聞き、とてもワクワクしています。
農業塾は、私たち消費者と農村やその営みの一部に、具体的な結びつきを与えてくれるとても貴重な場所だと思います。たくさんの方に「野庵」の事を知っていただき、1日でも早く無事に完成するよう応援し、また家族で農業塾に参加できる日を楽しみにしております。
イラストレーター 梢夏子様
つくだ農園さんとは、渡辺夫妻が大学の研究の一環で大原での農業を始める頃からのお付き合いです。彼らは土地や植物の特性を生かし、異なる作物同士や生き物が支え合い、調和する様子を愛でるように畑仕事をしています。また、様々な背景を持つ人とのコミュニケーションを楽しみ、励みにしながら、人材育成や地域コミュニティとの交流を通して、有機農業や農産物に興味のある人々をあたたかく迎えています。彼らの仕事は悠々に育つ自然の恵みの中から、自分たちの詩を紡ぎ出しているような、とても実直でたおやかな営みに感じます。
そんなつくだ農園さんが新たな拠点として「野庵」をつくられるとのこと。それは私のような美味しいものを楽しみたい人のみならず、自然と触れ合える場所を求めている人や、誰かと一緒に手間ひまをかけて物を作りたい人などの欲求を満たしてくれる場所になるだろうと、考えてるだけであれやこれや楽しみな想像がどんどん膨らんできます。
これは、新しい京都のアトラクションともなり得る場所だと思うので、完成がとても待ち遠しいです。
草喰ながひがし 中東久雄様
最近、子どもの頃のことがよく夢に出てきます。私は山の中で育ちました。冬、藁仕事をする母親の傍で、お布団のように積み重なった藁の中にいる自分の夢です。冬なのにとても暖かくて安心するのです。幼い頃の肌を通じて得た体験は失われない。そう思って、我が子らとはよくキャンプや川遊をしました。外で食べる、一緒に調理する、そういった体験が今も彼らの原体験として息づいているようです。
私は普段から、お店で使うものは誰がどこでどんなふうに使ったかわかるものを選んでいます。渡辺くんからも、野菜だけでなく鮎や手長エビ、天然きのこなどをいただいています。特にきのこなんかは、誰からでも買うものではありません。顔を知っていて、信頼しているから購入している。ただ、美味しいものだけを追い求めているのではなく、終わりまで美しさが続くものを求めています。それは、食べ終わった後にゴミになってしまうものではなく、また分解され発酵し吸収されふたたび生まれることを含みます。
文明が発達する時、文化が蔑ろにされてしまうことがよくありますが、私は文化を繋いでいきたい。変わらないのではなく、変化しながら継いでゆかれるのが文化です。野庵がそのような場所になればと思っています。
中田オーガニックファーム 中田幸佑様
私は2年間、つくだ農園で有機農業を学びました。野菜の栽培方法や出荷作業といった一連の農作業の他に、農家としての日々の暮らし方、農村文化のすばらしさ、自然とともに生きる喜び、命のつながりの大切さを学び考えることができとても充実した時間でした。それは以前のサラリーマン生活では知ることのできない体験ばかりで何もかもが新鮮でした。
つくだ農園に新しい拠点「野庵」ができれば農村と都会とのパイプができてもっとたくさんの人へ有機農業のすばらしさ、農村社会のすばらしさを発信することができると思います。そして今の私のように心豊かに生きる人がもっとたくさん増えることを望みます。これからのつくだ農園が楽しみです。応援しています!
デザイナー 山本安佳里様(AKARI DESIGN)
私は8年前に東京から京都へ、4年前に大原へ移住してきました。夫と娘2人の4人家族で、デザインの仕事をしています。つくだ農園のジャムのラベルや、リーフレットのデザインなんかのお手伝いもさせていただいています。
つくだ農園の園主の渡辺一家は、子ども同士が同級生ということもあり、仲良く週末に一緒に遊ぶ貴重な友人です。遊びながら暮らしながら、日々色々なことを教えてもらっています。「生きる」こと自体を楽しみながら土と土地と繋がっているなと、本当に尊敬している同世代です。
「野庵」は、そんな彼らの感性を体現するような場所になるんだろうと、今からワクワクしています。土と風土、熱意ある人々によって育まれた力強い野菜の味わいは既にご存じかもしれません。が、住んでいて感じる大原の魅力は、日中の2〜3時間滞在するだけでは満喫しきれない美しい時間が流れています。朝靄のかかる幻想的な山並みの色、野生に生きる動物たちの鳴き声、太陽の移ろいと共に変化する生命力に溢れる植物たちの息吹、毎日決まった時間に歩いている大原住民たちと交わす挨拶……豊かだな〜としみじみと心底感じることでしょう。
大原は京都の中心部から車でわずか40分あまりの場所です。是非このプロジェクトを通じて、大原を存分に感じられる豊かな1日を過ごしてもらいたいと純粋に願っています。
【留意事項】
●本文中の写真素材、名称掲載についてはつくだ農園が使用許諾を取っています。
●本プロジェクトへのご支援は寄付控除の対象にはなりません。
●返礼品の各種企画について、天災や新型コロナウイルス感染拡大等の社会情勢の変化により、中止・延期・内容の変更等が生じる可能性がございます。万が一中止・延期・内容変更となった場合も、いただいたご支援金は返金いたしかねますので予めご了承ください。
●本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、こちらのページの「命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
●支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトの新着情報やSNS等発信などに利用させていただく場合があります。
●リターンの日時等について、調整の都合上、個別のご要望には沿えない場合がございますので予めご了承ください。
- プロジェクト実行責任者:
- 渡辺 雄人(株式会社ヴィレッジトラストつくだ農園)
- プロジェクト実施完了日:
- 2024年3月31日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
京都大原にある株式会社ヴィレッジトラストつくだ農園が、オーガニックが日常になる社会を目指して有機農業の新しい拠点を作ります。大原地区で使われなくなった古民家を活用し、農産出荷施設および農業体験施設、直売所として再生させるため、いただいたご支援は、古民家の状態の悪い増築部分の取り壊し工事および新築工事、茅葺き屋根躯体の保存工事およびリフォーム工事に充てさせていただきます。
リスク&チャレンジ
- プロジェクトを実施する上で必要になる資格や許認可について
- 菓子製造業、アイスクリーム製造業は2024年10月ごろに取得予定です。
- リターンを実施する上で必要になる資格や許認可について
- リターン「野庵オープニングパーティー」で提供する飲食物は、惣菜製造許可を持つケータリング業者からの手配、もしくはつくだ農園が24年5月末までに飲食店営業許可を取得することで提供いたします。
- プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
- 必要金額と目標額の差額は、自己資金や政策系公庫からの融資などで補填します。また、農業政策の公的補助金事業としての採択が決まっているため、プロジェクトは必ず実行されます。
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プロフィール
つくだ農園は、京都大原にある小規模家族経営の有機農家です。2006年、学生だった園主が妻と始めました。家族が増え、従業員さんが増え、やがてお客様も増えてきました。農家になりたい人たちを研修生として受け入れるほか、有機農業を体験できる農場塾も開講しています(2024年再開予定)。古民家が再生できたら新たな学び舎として活用し、農業塾を再開する予定です。
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リターン
5,000円+システム利用料

【1】オリジナルポストカード (梢夏子さん書き下ろし)
つくだ農園のパンフレットのイラストなどを手がける梢夏子さんオリジナル書き下ろしのつくだ農園ポストカードに、お礼のメッセージを書いてお届けいたします。
●ホームページへのお名前掲載
●オリジナルポストカードの感謝状
- 申込数
- 11
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
10,000円+システム利用料

【2-A】つくだ農園のおすすめ野菜ボックス
つくだ農園の人気No,1商品「有機野菜10品セット」をお届けします。1年を通じてお届けしている、旬の野菜だけを詰め合わせた野菜ボックス。その中で、夏野菜もしくは冬野菜のいずれかの詰め合わせをお送りいたします。
●ホームページへのお名前掲載
●オリジナルポストカードの感謝状
●有機野菜10品入り野菜ボックス(夏野菜 or 冬野菜)※
----------
※冬野菜の場合は、2023年11月〜2024年2月の間、夏野菜の場合は2024年7月〜8月の間にお届けいたします。
※繁忙期のため2023年12月20日〜2024年1月13日および2024年8月12日〜18日は出荷いたしません。
※野菜の数は必ず10品ですが、シーズンによっては同じ野菜が2袋入る場合がありますのでご了承ください(例:菜の花2袋ほか8種類の合計10品、オクラ2袋他8種類の合計10品など)
- 申込数
- 54
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
5,000円+システム利用料

【1】オリジナルポストカード (梢夏子さん書き下ろし)
つくだ農園のパンフレットのイラストなどを手がける梢夏子さんオリジナル書き下ろしのつくだ農園ポストカードに、お礼のメッセージを書いてお届けいたします。
●ホームページへのお名前掲載
●オリジナルポストカードの感謝状
- 申込数
- 11
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
10,000円+システム利用料

【2-A】つくだ農園のおすすめ野菜ボックス
つくだ農園の人気No,1商品「有機野菜10品セット」をお届けします。1年を通じてお届けしている、旬の野菜だけを詰め合わせた野菜ボックス。その中で、夏野菜もしくは冬野菜のいずれかの詰め合わせをお送りいたします。
●ホームページへのお名前掲載
●オリジナルポストカードの感謝状
●有機野菜10品入り野菜ボックス(夏野菜 or 冬野菜)※
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※冬野菜の場合は、2023年11月〜2024年2月の間、夏野菜の場合は2024年7月〜8月の間にお届けいたします。
※繁忙期のため2023年12月20日〜2024年1月13日および2024年8月12日〜18日は出荷いたしません。
※野菜の数は必ず10品ですが、シーズンによっては同じ野菜が2袋入る場合がありますのでご了承ください(例:菜の花2袋ほか8種類の合計10品、オクラ2袋他8種類の合計10品など)
- 申込数
- 54
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
プロフィール
つくだ農園は、京都大原にある小規模家族経営の有機農家です。2006年、学生だった園主が妻と始めました。家族が増え、従業員さんが増え、やがてお客様も増えてきました。農家になりたい人たちを研修生として受け入れるほか、有機農業を体験できる農場塾も開講しています(2024年再開予定)。古民家が再生できたら新たな学び舎として活用し、農業塾を再開する予定です。