カナダ・ハンソン島で野生シャチの鳴き声の分析を続けたい!

カナダ・ハンソン島で野生シャチの鳴き声の分析を続けたい!

支援総額

545,000

目標金額 300,000円

支援者
45人
募集終了日
2014年7月24日

    https://readyfor.jp/projects/weeawu?sns_share_token=
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
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2014年07月15日 15:00

オルカライブ!

ハンソン島、ある静かな夜。
オルカラボのデッキで海と満月を見ていた博士はこう思いました。


「広い海を自由に泳ぐオルカ(シャチ)の姿や、この美しい光景を世界じゅうの人々と共有できれば、争いはなくなり世界は平和になるに違いない!」


しかし現在から30年近く前のこと。水中の映像を写す技術もそう簡単に光景を共有する手段もなく、博士は試行錯誤をくり返しました。

 


なにもない当時、水中映像を撮るためにポール・スポング博士が考えたシステムがコレ。半球型の重〜い鉄のかたまりを空気を抜かずにそっと海に沈め、下からダイバーが入るのです。半球ぶんの空気はありますからそこで待ち受け、ガラスののぞき窓から観察し撮影するという画期的なシステムです!!
ポール博士と、お友達のマイクさん(ホエールウォッチングボート「ブルー・フィヨルド」船長)が実際にこの中に入りました。

 

 

まあご想像の通り実用にはほど遠く、半球の中でビールで乾杯しただけに終わったそうですが(ちなみにこの物体は当時の思い出として今でもオルカラボの床下にあります)こうやって次々とアイデアを出しながら何とかならないものかと頑張ってらっしゃったんですね。
今でこそ笑い話ですが当時は本気だったそうです。


やがてテクノロジーが発達し、カメラを防水ケースに入れて水中に設置することが可能な時代がやってきました。

 

実際に使用している水中カメラのハウジングです

 

水中カメラはボランティアスタッフが設置します。潜れるスタッフがいないときは博士(70歳オーバー…)自ら潜って設置する事もあります

 

 


どうしても目の前の光景を世界と共有したい博士は、またこの段階でもチャレンジしまくりました。
「衛生を飛ばしてテレビ中継できないか」と凄まじいコストのかかるようなことを考えてメディア関係の知人に片っ端から相談したり…。
ボランティアに支えられているような研究所ですから、もちろんどこからもそんな莫大なお金は出ません。この時点でも博士のアイデアはまだ非現実的なものでした。

 

 

そして時代は流れ、とうとうインターネットというものが世の中に出回り始めたのです!

 


「オルカライブ」が現実となったのはあるとき博士が日本のご友人に相談したことがきっかけでした。

 

「ジョンストン海峡の水中映像、水中マイクで拾っているシャチの鳴き声、水上の美しい景色、これらをインターネットで配信できないだろうか?」

 

もちろん、当時は夢のまた夢だったこのプロジェクトは、インターネットを通じてなら可能だったんです!
それでも無人島にインターネットを引くなんてことはかなりのお金がかかることですから「期間限定でこのプロジェクトをやってみよう!」ということになり、NTTデータさんの協賛を受けて2000年にオルカライブがスタートしました。

日本の協賛が入ったため英語ページだけでなく日本語ページも作られました。

 

 

オルカライブのための作業をしているところ。高い木にスタッフがのぼってアンテナ設置をしています。自然の中に安定したネットを引くのはとっても大変なんですがなんとか実現にこぎつけることができました

 

オルカライブはジョンストン海峡のシャチたちの生中継サイトです。
ラボでmixした水中マイクの音声、そしてカメラ設置ポイントであるCPの映像をライブ配信で、そして無料でどなたでも楽しんで頂くことができます。

 

http://www.orca-live.net/jp

 


シャチはいつもいるわけではありません。
鳴き声も水中マイクのエリア内にいるときしか聞こえません。
また鳴いていてもボートの音で聞こえにくいときもよくあります。


しかし世界中のたくさんの人がこのプロジェクトをこよなく愛してくれました。
多くの人は帰宅するとオルカライブにアクセスし、繋ぎっぱなしでほかの用事をしていました。そしてシャチの鳴き声が聞こえてくると、パソコンに目を向けるのです。
こんなに遠く離れているジョンストン海峡のシャチたちと同じ時間を過ごしている、そんな気分にさせてくれるプロジェクトでした。
配信される映像の小さな画面をみんなは「ジョンストン海峡に繋がる窓」と呼んでいました。
アクセスが集中し繋がらなくなることも多々あるくらいでした。



2004年オルカライブのオープニングをアナウンスするポール・スポング博士と私
©orcalive2004(オルカライブスタッフ様に頂いた画像です)

 

多くの人に強く支持されてオルカライブ・プロジェクトは当初の予定より延長され、6年もの長い間NTTデータさんの協賛を受けて第一部は大成功に終わりました。

 

しかしせっかくの夢が叶った博士、プロジェクト期間が終了してもオルカライブ自体を終了させたくはなかったんですね。莫大な維持費のかかるこのプロジェクトを、なんとオルカラボの自腹で続けたいと考えました。


一見むりにも見えましたが、いろんな人の協力と助言、そして日本の旧オルカライブスタッフ(自称・電脳土方さんたち!)の暖かいボランティアサポートを受けて、オルカライブは何とか存続することになったのです。

しかしどんなに資金が厳しくても、博士はあくまでも「オルカライブの視聴は無料」というところにこだわりました。有料にしてしまったらふと訪れてくれる人のきっかけを奪ってしまうからです。

 


2006年、オルカライブの第二部は音声のみの中継から再び始まりました。その後オルカラボ100というドネーション・プログラムで資金を得て見事に映像も復活!!


現在は昔よりも大きい画面でオルカライブを楽しむことができます。
完全無料、登録も不要ですので「ジョンストン海峡のシャチを感じたいな」というときはふらっとオルカライブを覗いてみてくださいね、タイミングが良ければきっと見られる、声が聞こえることでしょう。


シャチってば気まぐれですのでエリア内にいても5分に1回しか鳴かないなんてこともざらですので本当に声が聞きたい人には繋ぎっぱなしがおすすめです!
映像はシャチがいなくても美しい水中映像(トロピカルではありません、栄養分が高く透明度の低い海です、しかしいろんな生き物が通ります…)や水上カメラの朝焼け、霧の海、お月様などが見られます。

 

「COMMUNITY」画面ではいろんな人がコメントを残して行っていますので、どうぞお気軽に感想を書き込んでいってください。


もちろんカナダと日本とは時差がありますので、現地が明るいのは日本の夜中だったりします…寝不足に気をつけてくださいね☆

 

 

あっそうだ、最後にひとつ。

野生のシャチって争いを知らない動物なんですよ。えものを狩るときの獰猛なイメージがあるかもしれないけれど仲間内での争いはありません。レジデントとトランジェントも争わないし、野生のシャチが水族館に送られるため人間に捕まるときですら、悲しく鳴くだけで振り払うことも知らないんです。家族と仲間を何より大事にしている平和な動物なんです。だから博士は野生のシャチを見ているときの気持ちを全世界と共有したかったのではないでしょうか。

 

 

いつか世界は平和になるかな?

この光景をひとりでも多くの人と共有していけますように。

 


(文と写真とイラスト…Tomoko)

リターン

3,000


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サンクスレター

支援者
15人
在庫数
制限なし

10,000


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サンクスレター
カナダ・ハンソン島からのエアメール(絵はがき)
オリジナルTシャツ(版画家・二川英一氏デザイン)

支援者
20人
在庫数
制限なし

30,000


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サンクスレター
カナダ・ハンソン島からのエアメール(絵はがき)
オリジナルTシャツ(版画家・二川英一氏デザイン)
シャチの鳴き声CD
ハンソン島フォトブック2014

支援者
10人
在庫数
制限なし

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