最近、被爆者の方たちの訃報が相次いでいることが、とても気になっています

「被爆体験を語る人がやがていなくなる」。そんな私たちの懸念が現実になりつつあるように感じるからです。

 

8月30日、日本原水爆被害者団体協議会(略称・日本被団協)代表委員の谷口稜曄=たにぐち・すみてる=さんが88歳で亡くなりました。原爆で背中に大やけどを負った状態で横たわる若き日の谷口さんの姿を撮った、「赤い背中の少年」の写真で広く知られた方です。

 

谷口さんはその衝撃的な写真を掲げ、国連本部など国内外で核廃絶を訴え続けました。「どうか写真から目をそらさないでください」「核兵器と人間は共存できないのです」。谷口さんを取材してきた新聞記者たちは「鬼気迫る被爆講話」「命ある限り、非核訴え」などと核廃絶に生涯をささげた谷口さんを追悼しました。

 

9月2日には、長崎の被爆者運動の理論的支柱とされ、自らも被爆者の元長崎大学長、土山秀夫さんが92歳で亡くなりました。8月9日の「長崎原爆の日」に長崎市長が国内外に向けて発信する「平和宣言」の起草委員を1990年から25年に渡り務めた方です。

 

被爆者運動をリードしてきたお二人が相次ぎ亡くなり、関係者のショックは大きいと言います。だが、私たちは立ち止まっているわけには行きません。「今こそ、若者に被爆体験を語り継がねば」。そんな思いを強くしています。

 

ぜひ、私たちのプロジェクトにご支援をお願いいたします。

(横浜国立大学 高橋 弘司)