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古墳の価値を未来に―野中古墳出土品の3D計測プロジェクト―

古墳の価値を未来に―野中古墳出土品の3D計測プロジェクト―

寄附総額

1,795,000

目標金額 1,500,000円

寄附者
80人
募集終了日
2018年12月25日
80人 が寄附しました
プロジェクトは成立しました!
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2018年11月20日 18:34

コラム③ 古墳の中身はどうなっている!? ―前編―

 こんにちは!大阪大学考古学研究室です。
 この度のプロジェクトでは、多くのご支援をたまわり、誠にありがとうございます。
 引き続き、ご支援ならびに情報の拡散をお願いいたします。

 

 さて今回は、前回の続きとして古墳の内部についてお話ししていこうと思います。
 古墳の外から見た目が、埴輪や葺石などで飾り立てられていることは前回お話ししました。(詳しくは前回、前々回のコラムをご覧ください)

 では、古墳の中の構造はいったいどのようなものなのでしょうか?
 今回は古墳の中身である「埋葬施設」にスポットをあててみたいと思います。

 

 

①3世紀~5世紀の埋葬施設

 古墳には鍵穴形をした「前方後円墳」や、円形の「円墳」などさまざまな形があることは前回述べましたが、共通して言えることは、古墳は「お墓」であるということです。
ですので、古墳の内部には遺体(被葬者)をおさめるための施設、埋葬施設がつくられます。この埋葬施設には、被葬者の棺のほか、被葬者にかかわるような豪勢な副葬品など多くのものがおさめられます。

 ただし、一口に古墳時代とは言っても、3世紀のなかごろから7世紀はじめまでという非常に長い期間が含まれています。
 300年以上にわたって造られ続けた古墳ですが、その中の構造が常に同じであったわけではありません。様々な構造のものが使われるのですが、以下では、いくつかの時期にわけてみていきたいと思います

 

■「割竹形木棺」の時代
 3世紀後半から4世紀にかけては、木棺の時代といえます。5m以上という非常に長い丸太を縦に半分に割ってつくられる木棺を「割竹形木棺(わりたけがたもっかん)」といい、当時の有力者だけが使用を許されていたと考えられています。

 

割竹形木棺
とても長く、重量も相当なものです

 

 この木棺には、コウヤマキという木が特に好んでつかわれました。コウヤマキは、弥生時代から木棺の材料として使われてきた伝統的な木材です。

 

いまでも見られるコウヤマキ(福島県会津若松市)
高くまっすぐ伸びているようすがわかります。

 

 ちなみに少し時代は下りますが、朝鮮半島の南西部を支配した百済では、6世紀の「武寧王陵」において、このコウヤマキの木棺が用いられています。当時の百済地域ではコウヤマキが生育していなかったとされており、日本からわざわざ棺のための木材が運ばれたと推測されています。日本と百済との交流を示す重要な証拠です。

 

 

■「長持形石棺」の登場
 割竹形木棺につづいて、4世紀おわりごろになると「長持形石棺(ながもちがたせっかん)」が用いられるようになりました。この長持形石棺は、大王などハイクラスの人々にしか採用を許されず、まさに「王者の棺」と呼ぶのにふさわしいものです。

 

最初期の長持形石棺(大阪府 松岳山古墳)
奥の人と比べるとその巨大さが際立ちます。


 割竹形木棺もひきつづき存在しますが、木棺はこうした石棺よりはランクが落ちる扱いになってしまいました。

 

 現在、藤井寺市の史跡城山古墳ガイダンス棟「まほらしろやま」では、実物大の長持形石棺(古市古墳群・津堂城山古墳)が復元されています。ぜひ訪れてみてください。
詳しくは↓
http://www.city.fujiidera.lg.jp/rekishikanko/sekaiisan/1493707899383.html

 

 

 また、日本最大の規模をもつ大仙陵古墳、仁徳天皇陵とされる巨大古墳からも、かつて長持形石棺が見つかっています。現在はやはり現物を見ることができませんが、復元品は堺市博物館でも見ることができます。
詳しくは↓
http://www.city.sakai.lg.jp/kanko/hakubutsukan/tenji/jiyutoshi.html

 

 さらにもうすぐ展示期間が終わりになりますが、大阪府立狭山池博物館でも11月25日までですか、「王者のひつぎ」の展覧会が開催中です。石の棺をメインとした展示がされています。お見逃しなく。
詳しくは↓
http://www.sayamaikehaku.osakasayama.osaka.jp/_opsm/exhibition/26.html

 

 今回のプロジェクト対象である野中古墳は、この長持形石棺が盛行していた時期の古墳ではありますが、長持形石棺は使われていません。甲冑などの副葬品は木の箱のなかにおさめられていました。こうした内部施設の構造の違いは、「陪冢(ばいちょう)」と呼ばれる古墳の性格を考えるうえで、面白い現象といえるでしょう。

 

■棺をおさめる施設
 さてこれらの様々な棺は、直接地面に埋められることもありましたが、特に有力者の場合石で築いた部屋に納められていました。
 3世紀から5世紀にかけては、「竪穴式石室」と呼ばれる石室の中に棺を納めることが一般的でした。

 

竪穴式石室の例(滋賀県 雪野山古墳)

 

 この竪穴式石室は、一度棺をおさめて蓋をしてしまうと、二度と開けられることがありませんでした。いわば一回きりの施設だったのです。


 そのため新しい死者を葬るには、同じ墳丘の違う地点に別の棺を埋めたり、更にはどんどん新しい古墳をつくり続けたりすることになりました。

 

 こうした慣行はおよそ200年にわたって継続したのですが、近畿地方では、6世紀頃になると、古墳時代の埋葬方法に大きな変化がおこります。

 

 

少し長くなりましたが、この続きは次回にしたいと思います。お楽しみに!


 

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【数量限定|古墳の学びを深めるコース】過去の講演会資料(非売品)

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