第1~14回の新着情報を要約して記事目次とします。

 

第1回 西洋古典音楽

(平成28年3月4日)

 

記事 古代からルネサンス時代まで、多声音楽の歴史を対位法の発展を概観しました。西洋音楽の基礎は多声音楽です。初期多声音楽の譜例、アキテーヌ記譜による実例、ノートルダム楽派のオルガヌム大全、チコニアとダンスタブルを解説して、ブルゴーニュ楽派のデュファイが、フランスのアルス・ノーヴァ・イタリアのトレチェント・イギリスのファブルドンなどの音楽語法を摂取して、人間感情を音楽表現で達成して、ルネサンス音楽の端緒を披いた業績を讃えました。

 

四声構造が定旋律と三和音を兼ねて安定して、定旋律に依存しない全声部が対等になる方向に進みました。デュファイは感情表現を多彩に、オケゲムは作曲規則を厳密に、ジョスカンは和声構築を完璧に、オブレヒトは旋律操作を明確にしました。アグリコラはスペイン、イザークはオーストリア、ヴィラールトはイタリア、ラッソはドイツへ移住して、イタリアのパレストリーナ、スペインのビクトリア、オランダのスウェーリンク、イギリスのバードらに継承されました。

 

古典の意義を文学や哲学などの芸術から類推して説明しました。東洋の芸道の見識が、西洋の芸術にも援用でき、書道の「臨書」という研鑽方法が、音楽にも適用されることを提案しました。楽譜[音楽の記録]と音源[演奏の実例]を学び、二千年で変遷した様々な流派の様式、表現の構造などを学び取り、作者の真意を直感して、自己の個性として表現できるようになるからです。

 

古典を味わうことが、文化を創りゆくことになり、創造を為しえることになることを書道[空間芸術]と音楽[時間芸術]を対照しながら説明しました。洋の東西を問わず、アリストテレス『詩学』第2章のミメーシス、世阿弥『風姿花伝』第7章の「ものまね」は、人間の感情や思考を伝達する芸術に於いて、同等の意義を有していることを説明しました。

 

第2回 中世吟遊詩人の文芸から、バッハのカンタータまで

(平成28年3月11日)

 

記事 世俗音楽から教会音楽への影響を説明しました。ルネサンス音楽の特徴、均整の取れた構造や感情の自然な発露は、芸術の文化に存在する発想です。中世末期にイスラム世界と交流した吟遊詩人の文芸から世俗音楽が発達して、ドイツで精神性を深め抒情詩人が出ました。北フランスでノートルダム楽派のクラウズラからモテットを確立、北イタリアでトレチェント音楽が隆盛しました。

 

ルネサンス期にフロットラが隆盛して、歌詞内容を活写する音画技法によるマドリガルが完成、テューダー朝イングランドで流行、自由な歌詞に感情を表現でき、音域を拡大して、音価を区別して、和声進行が複雑になり、半音進行が多用され、旋法音楽から調性音楽、伴奏で和声を構成して感情を表現するバロック音楽のモノディ様式に移行して、器楽と融合しました。

 

ドイツではイスラム文化の宮廷愛が、中世宮廷文化の騎士道やキリスト教会の隣人愛に定着、ニュルンベルクで職匠歌人が組合をなし、教会歌曲がコラール、世俗歌曲がリートに発展、ラテン語モテットやドイツ語リートの既存旋律を歌詞変更して多声コラールを作曲、主旋律を最上声部に配置したカンツィオナール書法が発達しました。イタリアのカンタータは田舎風歌劇から礼拝用音楽に発展しました。ヴェルサイユ楽派は仏語朗唱法や管弦楽書法を導入して、優雅な抑揚や繊細な装飾の旋律を伴う叙唱と独唱が交替する六楽章形式の独唱曲となり、モテットと共に隆盛しました。

 

シュッツが教会コンツェルトや福音モテットで声楽と器楽が対等なコンツェルト様式、リューベックのブクステフーデが変奏形式、ダルムシュタットのブリーゲルが有節形式独唱とコラール編曲を導入して教会カンタータを確立しました。バッハを年代別に聴くと北ドイツの峻厳な作風から、温雅な作風へ変遷する過程を把握できます。

 

第3回 音楽の起源から受難曲、多声音楽書法から弦楽四重奏曲

(平成28年3月18日)

 

記事 KFアーカイブは、あらゆる文化や社会を構築した過程を稠密に追跡します。キリスト教の典礼音楽で福音書の朗唱から発展して、合唱を導入して多声化された受難曲の発展を中世から近世まで追跡しました。

 

西洋音楽の書法を学び盡くして、後世に規範を遺したバッハを讃え、イギリスの堅実な和声、フランスの典雅な風情、イタリアの明朗な旋律、北ドイツの峻厳な抒情、南ドイツの温和な楽想という異質な特徴を調和して大成した原理を考察して、少ない音符や旋律で多くの和声や内声を生み出せる多声書法であらゆる音楽書法を統合できる本質に到りました。

 

また、バッハのフーガを研究したハイドンやモーツァルトが弦楽四重奏曲を大成して、ベートーヴェンやシューベルトに継承され、音楽の構造として傑作を下支えしました。四声が安定する理由は、三和音と低音部のリズムによる構造に加え、声の音域、ソプラノ・アルト・テノール・バスが、第一ヴァイオリン・第二ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロに対応するからです。

 

高度に発達した西欧音楽と接触したジャズが芸術音楽とされました。古代から現代まで継承された、音楽の書法や伝統を継承する系譜にこそ、芸術として認識する要素となります。イギリスで創作の規範、ドイツで技術の蓄積、フランスで識者の遺産、イタリアで情緒の開発と把握された「芸術音楽」でバッハは芸術を大成する矜持を持ち、スカルラッティは芸術と戯れる遊びをなしました。

 

多声音楽が数えられないほど多くのパラメータを生み出せる構造を内に備えていたからこそ、人間性や地域性ある音楽を創造できました。デュファイやバッハは相容れない特徴を多声の構造を重視して、旋律と和音を兼備した様式で調和して、多声書法における旋律同士の相互作用による和声進行により、人間感情の変化を直接表現したことから、自由に創作できるようになりました。

 

第4回 鍵盤楽器・オルガン・リュート・ビウエラによる音楽の歴史

(平成28年3月25日)

 

記事 KFアーカイブは、前世代の様式や技法が、次世代に解釈され意義を変容させ、一貫して継承された軌跡を考察して、新しい発想が生まれ、継承を重ねる瞬間を体験して、物事の真意を認識する発想です。創造性を切り拓いて、発展性を見つけ出せる天才を育てる方法になります。西洋音楽を大成したバッハが取り組んだ楽曲を網羅して、西洋音楽の構造を概観しました。

 

13世紀にサルタレッロやエスタンピー、14世紀に多声楽曲の編曲、15世紀に固執低音によるブルゴーニュやイタリアの宮廷舞踏が、フランスで純器楽曲に発展、フランスのパヴァーヌとガイヤルド、イタリアのパッサメッツォとサルタレッロが形成され、16世紀にアルマンドとクーラントを追加して、イングランドのリュートやヴァージナル音楽、イタリアのオルガン音楽、ネーデルランド=北ドイツ・オルガン楽派、フランスのリュートやクラヴサン音楽を構成、17世紀にスペインのフォリアやセギディーリャ、イタリアのロマネスカやベルガマスカなどの旋律を固執低音に配置する即興曲型式、上声に優雅で穏やかな旋律を配置するパッサメッツォや変奏曲形式などが一般になり、パッサカリアやシャコンヌに様式化されました。

 

イタリアのリュート音楽でリチェルカーレ・カンツォーナ、スペインのビウエラ音楽、イングランドの鍵盤楽派、ネーデルランド楽派で前奏曲(プレアンブルム・プレリュード)・即興曲(ティエント・トッカータ)・幻想曲(ファンタジア・ファンシー)・変奏曲(ディファレンシアス・グラウンド)が発達、スペインのカベソン、ポルトガルのコエリョ、ナポリのトラバチ、イングランドのギボンス、オランダのスウェーリンク、イタリアのフレストバルディらの鍵盤音楽を基礎づけました。

 

後期ルネサンスから初期バロック音楽の通奏低音によるモノディ形式が発達しました。ルネサンス期の均整を打破して、バロック期へ移行しました。音組織は旋法から調性になり、教会音楽と世俗音楽が接近、歌曲の伴奏の器楽も記譜され、後期には半音階法や不協和音を多用、通奏低音やモノディ様式を導入、調和した構造や厳格な規則を打破しました。フーガとカノンの原型と種類を解説しました。音楽は旋律の組み方、究極は音の高さと長さと並び方に帰着して、基礎となる技法を紹介しました。

 

第5回 舞曲の器楽化、組曲の様式化、交響曲やソナタの確立

(平成28年4月1日)

 

記事 KFアーカイブは、音楽様式の変遷を世代の前後で何が継承され、何が放棄されたか、系譜で追跡しながら稠密に把握します。探求の方針は、特定の論題や音楽の歴史に限定されず、社会の構造や文化の発展に適用されます。

 

中世のエスタンピーやドゥクツィアを継承するイタリアのバレットがフランスで宮廷舞踊になり四楽章制に拡大されました。ゴーティエが、リュートに一本の旋律で異なる声部を持たせる断続様式style briséを生み、短い修飾音agrémentと共に鍵盤楽器に取り入れられました。イタリアで1603年にトラバチがパルティータを出版、フランスで1700年頃にリュートやクラヴサンの組曲、1713年にクープランのオルドルとなりました。ドイツのフローベルガーは組曲[アルマンド・クーラント・サラバンド・ジーグ]を導入しました。サラバンドとジーグ間に当世風舞曲ギャラントリを入れて華やぎました。フランスの地方舞踊[ブーレ・メヌエット・ガヴォット・パスピエ]が用いられ、変奏ドゥーブルが舞曲の後に書かれました。自由な構成のパルティータになりました。

 

イタリアで劇音楽序曲がシンフォニア、フランスで宮廷舞踊曲が管弦楽組曲となり、調性を統一した楽章を配列した組曲となり、ヴェルサイユ楽派に継承されました。前期古典派音楽ではフランス序曲をシンフォニア楽章に発展して、ナポリ楽派スカルラッティらが、教会ソナタ様式から三楽章制のイタリア序曲を確立、マンハイム楽派でメヌエットが追加され四楽章制の交響曲になりました。

 

初期バロック時代には、独奏楽器obbligato・合奏楽器ripieno・通奏低音basso conteinuoに分類され、声楽の前奏sinfoniaや間奏sonataが独立、声部が均質なルネサンス様式から主旋律と低音部で構成するバロック様式の器楽曲に移行、数字譜で通奏低音が指示されるモノディ様式になりました。イタリアでコレルリが教会ソナタ、ヴィヴァルディが独奏ソナタを確立しました。

 

ヴィヴァルディの独奏ソナタやスカルラッティの鍵盤ソナタなどの室内楽曲と鍵盤楽曲が主流になり、古典派音楽に移行して通奏低音書法が廃れて、独奏楽器のみ、伴奏楽器つきのソナタが盛んになりました。ハイドンやモーツァルトは後期バロック音楽の様式を継承しながら、独奏ソナタや鍵盤ソナタを洗練させ、古典派音楽からロマン派音楽に移行しても、ソナタ形式が堅持されました。

 

第6回 交響協奏曲・合奏協奏曲・独奏協奏曲・古典調律法の確立

(平成28年4月8日)

 

記事 KFアーカイブは、音楽の考察のみならず、文化の発展を通じて、社会の構造を捉えていく、観点や方法を供します。様々な時代や地域の文化や伝統を考察することから、楽譜に接したとき、音楽が流れてくるような感覚を高められます。

 

最高の演奏は、音楽が自然に展開され、音楽が自然に誕生したよう、意義を持ち語りかけてきます。楽譜の範疇ではなく、音楽の社会における役割、文化の人生における意義、作品の歴史における位置などを総合的に深めて到ります。

 

ルネサンス期に声楽で誕生したコンチェルト様式は、初期バロック音楽の独唱声部と合唱部分あるいは独奏楽器と合奏部分を対比する様式になり、交響協奏曲・合奏協奏曲・独奏協奏曲が確立しました。バッハがイタリアの協奏曲を鍵盤用編曲した器楽協奏曲、ヴァイオリン協奏曲からクラヴィーア協奏曲を確立しました。

 

バッハの生涯―交流した人物や体験した音楽を概観して、様々な時代と地域の伝統を吸収して形成され、後世に作品として継承された過程を追跡、礼拝音楽よりも芸術音楽として、後世に伝承されるべきであると意識した作曲の動機を説明しました。

 

バッハは本物の芸術作品を使用した音楽教育に徹して、音楽芸術の極意を門人に伝えました。通奏低音の基礎に優雅な旋律を声部の関係に配慮して和声を構築して作曲しました。自作品を絶えず改訂を重ねました。通奏低音を教える際に規則を説明、通奏低音の演奏で与えられる音を用いて、純正な四声の楽曲を実作させました。

 

音楽家の見識はバッハやそれ以前の音楽に対する造詣により、アンブロジウス(350年)から大バッハ(1750年)まで1400年間に音楽語法を発達させながら伝承されてきた系譜を追跡してこそ、バッハへの深い理解を得られると結論づけました。

 

人間の個性はあらゆる人類の文化に精通して、自らの審美眼と判断力を高めて養われます。バッハの音楽性は西洋音楽のあらゆる音楽芸術を究極まで洗練させた極致であるからこそ、西洋音楽の規範となりえました。

 

第7回 近代ヴァイオリン奏者の系譜(1)

(平成28年4月15日)

 

記事 ヴィオッティ門下クロイツェルとバイヨ門下の西欧(フランス・ベルギーやアメリカ・イタリア)を概観しました。

 

・コレルリ→ソミス→プニャーニ→ヴィオッティ→四大家クロイツェル(マサールの師)・バイヨ(アブネック・ロブレヒツ・ダンクラ・モーランの師)・ロード(シュポーア・ベームの師)・ピクシス(ミルトナーの師)

・マサール門下ヴィエニャフスキ→イザイ(パーシンガーとデュボアの師)、マルシック→ブーシュリ(ゴーティエ・キロガ・テミアンカ・ソリアーノ・アンドラード・ブシノー・オークレール・エルリー・パレナン・フェラスの師)・フレッシュ(ヴォルフシュタール・ロスタル・ゴールドベルク・ギンペル・トーテンベルク・オドノポソフ・ヌヴー・ハシッドの師)・ティボー(フランチェスカッティ・シェリングの師)・エネスコ(ボベスコ・ブランクの師)の系統

・アブネック門下アラール→ガルシン(ブーシュリとマルトーの師)・サラサーテの系統、レオナール→トムソン・ヴィアルド・マルトー・マルシックの系統

・ロブレヒツ門下ベリオ→ヴュータン→イザイの系統

・ダンクラ門下ルフォール(スポールディングの師)・ナドー(パスキエ・レーヴェングートの師)の系統

・モーラン門下カペー→プリンシペ→デ=ヴィート・アシオラの系統

 

第8回 近代ヴァイオリン奏者の系譜(2)

(平成28年4月19日)

 

記事 ヴィオッティ門下ロードとピクシス門下の東欧(ドイツ・オーストリアやロシア・ハンガリー)を概観しました。

 

・シュポーア門下ダヴィッド→ウィルヘルミ(ダンブロシオ・ホールの師)・シュラディーク(ダンの師)の系統

・ベーム門下ヘルメスベルガー・ドント・ヨアヒム・グリュンの系統

・ヘルメスベルガー門下ハイスラー→ヴィンクラー・ロゼの系統、ヘルメスベルガー父→ヘルメスベルガー子→クライスラー・エネスコ・フレッシュ・クナイゼルの系統

・ドント門下アウアー→ムイナルスキ(ストヤルスキ・コハニスキの師)・ヤンポルスキ(ヤンケレヴィチ・コーガン・シトコヴェツキー・ベズドロニーの師)・パーロー・ジンバリスト・エルマン・メンゲス・ポリアキン・ハンセン・ザイデル・ハイフェッツ・ミルシテイン・シュムスキーの系統

・ヨアヒム門下ヘーアマン→ヴォルガント→ボッセ、フバイ(シゲティ・テルマーニ・ヴェッチェイ・ロート・ケレクヤルト・レナー・ヴェーグ・ヴァルガ・タシュナー・マルツィーの師)、ヘス(カテラル・ブッシュ・クーレンカンプ・ニューマンの師)、エルダリンク(シュトロス・ブッシュの師)、ソルダ=レーガー・グレゴロヴィッチ・ブルメスター・パウエル・ベッカー・クリングラー・フーベルマンの系統

・グリュン門下レブナー(ヒンデミットやシュナイダーの師)・マイレッカー(ボスコフスキーやバリリの師)・クナイゼル(フックス・カウフマン・フレッシュの師)の系統

・ミルトナー門下ベンネヴィッツ(シェフチークとオンドジーチェクの師)の系統、フルジマリ(バルセヴィッチ・コニュス・プレス・ペチュニコフ・エルデンコ・モギレフスキーの師)の系統

・シェフチーク門下マラック(プシホダの師)・クーベリック・コチアン(ケッケルトの師)・コーリッシュ・モリーニ・シュナイダーハンの系統、バルセヴィッチ門下ミハロヴィッツ(フーベルマンの師)・ストヤルスキ(オイストラフの師) の系統

 

第9回 近代ピアニストの系譜(1)

(平成28年4月22日)

 

記事 ライネッケ・ゴドフスキ―・ブゾーニ・マッセイ・ヘルツ・リスト系統―ビューロー(バルトの師)・クリントヴォルト(リスレルの師)・ブラッサン(サペルニコフの師)・メンター・クラウゼ(フィッシャーの師)・ティマノヴァ・フリードハイム(ブリューメンフェルトの師)・ブルメスター・アンゾルゲ・ド=グリーフ・ランベルト・ローゼンタール・ザウアー・シュターフェンハーゲン・トーマン(セーケイ・ドホナーニ・バルトーク・フロイントの師)・ライゼナウアー・ジロティ(ゴリデンヴェイゼル・イグムノフの師)・ダルベール(バックハウスの師)・ヴァイス・リーブリング・ダ=モッタ・ラモンド

 

リスト門下―粒ぞろいで煌びやかで滑らかな音色、速度や強弱の変化を自在に駆使して感情を自然に出し、即興で激しい上下行、速度や強弱の対比により、ピアノを管弦楽のよう扱い、音域が広く壮大な音楽をなす一方、叙情あふれる繊細さを持ちます。

 

第10回 近代ピアニストの系譜(2)

(平成28年4月23日)

 

記事 ツェルニー門下クラック系統ニコライ・ルビンシテイン(タネーエフの師)・シャルベンカ・グリュンフェルト・モシュコフスキ、ダッハス系統アントン・ルビンシテイン(ホフマンの師)・パハマン、レシェティツキ系統エシポワ(クロイツァー・トゥルチンスキー・ボロウスキ・ゴルボフスカヤの師)・サフォノフ(スクリャービン・ニコラ―エフの師)・パデレフスキー(バウアー・ヨナスの師)・ガブリロヴィッチ・フリードマン・シュナーベル(ショアラー・クラウスの師)・モイセイヴィチ・バレンツェン

 

パハマンは19世紀の演奏様式を伝える貴重な存在です。真珠がビロードの上で転がるようなタッチで軽やかなピアニッシモを発揮して、内声を加え、抒情を深め、伴奏リズムや和声を変え、レガートに弾き、天真爛漫なピアニズムを聴かせました。

 

レシェティツキ門下―艶のある美しい音色で転調の妙を聴かせ、強弱と速度の変化を結び付け、自然に情感を歌い上げました。

 

第11回 近代ピアニストの系譜(3)

(平成28年4月24日)

 

記事 ツェルニー門下ドール系統のパブスト門下イグムノフ(オボーリン・フリーエルの師)・ゴリデンヴェイゼル(フェインベルク・タマルキーナの師)・メトネル・ベクマン=シチェルビナの系統、ヴィーク門下クララ・シューマン(フリードベルク・デ=ララの師)の系統、ジンメルマン門下マルモンテル→プランテ・ディエメ(ラザール=レヴィ・カゼッラ・ジル・ロルタ・ナット・シャンピ・カサドシュ・フォール・コルトー・リスレルの師)・フィッソー(ストックマー・パンテの師)・マルモンテル(ロン・サマロフの師)・ダンディ(アルベニス・セルヴァの師)・ドビュッシー(デュメニルの師)の系統

 

ロシア・ピアニズム―帝政ロシア時代の遺風を継ぎ、感性を高め続けた大御所たち(イグムノフ・ゴリデンヴェイゼル・ベクマン=シチェルビナ・ネイガウス・フェインベルク・ゴルボフスカヤ)は、水晶のよう透徹した音色に崇高な気品を感じさせ、しなやかに歌いました。境位が異なるほど高い精神性、研ぎ澄まされた感性、豊かに育まれた詩情、深く切り込む知性が音楽に感じられます。

 

シューマン夫人は、繊細なペダリングや指使い、音質・リズムとフレージング・誠実な解釈・緩急と強弱を本質としました。

 

フランス・ピア二ズム―クラヴサン楽派を継承して、和声進行の連続で多彩な変化をなして流暢です。出し手が完全に提供せず、受け手が想像し補完して、複雑な心理描写を限られた音楽書法で表現しました。音楽は和声の進行に意が含まれます。印象主義絵画にも特徴がよく表れ、フォーレやドビュッシーまで受け継がれます。

 

第12回 近代ピアニストの系譜(4)

(平成28年4月25日)

 

記事 ショパン門下チャルトリスカ(ヤノータ・ミハウォフスキの師)、ミクリ→ミハウォフスキ(ランドフスカ・スミドヴィッチ・ジュラヴレフ・ネイガウス・ファミリア=ヘプネル・レヴィツキ・エトキン・ソフロニツキーの師)・ローゼンタール・コチャルスキのポーランド系統、マティアス→リッター(フィリップの師)・プーニョ(シェイエ=リシェ・レヴィの師)・カレーニョ・リエラ(エリクール・エレガーの師)・ジル、デコンブ→リスレル(フェブリエの師)・コルトー(タリアフェロ・ハスキル・ルフェビュール・サンロマ・ペルレミュテール・バッカウアー・ジャノーリ・ツェルニー=ステファンスカ・ブルショルリー・メイエルの師)・ビュルムザー・ラヴェルのフランス系統、フンメル門下モシュレス→ダンロイター(サミュエル・フリスキンの師)、ヘンゼルト→ズウェーレフ(ラフマニノフ・ベクマン=シチェルビナの師)の系統

 

ショパンは優美で多彩な情趣を音楽の陰影で描写しました。古い録音に絶妙なニュアンスが聴かれます。

 

第13回 往年のピアノ・オルガン・チェロ・ギター・管楽器奏者たち

(平成28年4月26日)

 

記事 近代ピアニストの系譜―カルクブレンナー→スタマティ→サン=サーンス(フォーレ・ブノアの師)の系統、タールベルク→べリオ(グラナドス・マラッツ・ラヴェル・ビニェス・ロヨネの師)のスペイン系統・セシ→マルトゥッチ→アンフォッシ(ミケランジェリの師)・レスピーギ、セシ→ロンゴ→デンツァ(チッコリーニの師)のイタリア系統、ギーゼキングの系統

近代オルガニストの系譜―大バッハ門下エマヌエル・バッハ→ドゥシーク→モンジェルー→プラドハー→フェティス→ヴィドール→シュヴァイツァ・デュプレ(メシアン・ドゥメッシューの師)のフランス系統、ホミリウス→ヒラー→シヒト→ミュラー→シュナイデル→ルスト→シュレック→シュトラウベ(ハム・ノワコフスキー・ラミン・クルト=トーマス)のドイツ系統

チェロ奏者―カザルス・アンドレ=レヴィ・マイナルディ・オネゲル・フルニエ・クレマン・ナヴァラ・トゥルトゥリエ・シュミット・ヤニグロ・ジャンドロン・シャフラン・シュタルケルらによるバッハの無伴奏チェロ組曲、マレシャル・ピアティゴルスキー・ヴェンツィンガー・フォイアーマン・バルドヴィーノ・ミシュランら

ギター奏者―タレガ門下フォルテア・リョーベト(セゴビアの師)・プジョル・デ=ラ=マザ・ロブレド・ロデス

フルート奏者―バレール・ゴーベール・ローラン・モイーズ・ギルベルト=イェスペルセン・ル=ロワ

オーボエ奏者―タブトー・グーセンス、ホルン奏者―ブレイン・テヴェ、クラリネット奏者―エティエンヌ・ウラッハ・ドリュクルーズ・ランスロ、バソン奏者―ウーブラドゥ・ウォルト、リコーダー奏者―ドルメッチ

 

第14回 KFアーカイブの構造と活用

(平成28年4月27日)

 

記事 KFアーカイブの取扱説明書です。ホームページ、分野・楽器・所蔵者・出版元・レーベル一覧画面、音楽家参照画面、作品参照画面、筆者譜・出版譜参照画面、画像参照・音源再生ポップアップを画面遷移の追跡をしながら解説しました。

 

KFアーカイブを今後ともよろしくお願い申し上げます。

長文にお付き合い下さり、誠にありがとうございました。

 

平成28年4月28日

特定非営利活動法人 KFアーカイブ会長 中西 泰裕

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