プロジェクト概要

プロジェクトの終了が報告されました

 

ネパールのグリ村でとれる自然素材を使ったリップバーム(リップクリーム)を作り、女性が笑顔でいられる仕事を増やしたい!

 

ページをご覧いただきありがとうございます。NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会の平澤志保です。私たちシャプラニールは、ネパールやバングラデシュで、経済的・社会的に弱い立場に置かれている人々と一緒に手工芸品などをつくり販売することで、現地の生産者の継続的な雇用づくりや生活の向上、これまで過酷な環境に置かれてきた生産者の自信や尊厳の回復、社会の中での地位の向上を目指しています。

 

今回は、ネパールのピュータン郡グリ村で、家族の出稼ぎのために困難な状況に置かれている女性たちの生活を支えるために、地域でとれる自然素材を使ったリップバームづくりを実現させたく、このプロジェクトを立ち上げました。

 

 

 

グリ村の女性が置かれた過酷な環境。「出稼ぎの村」の宿命

 

ネパールの首都カトマンズから飛行機で2時間、ジープで7時間の山岳地帯にあるグリ村は、2006年までのネパール内戦の影響で開発から取り残されてきました。村では現金収入を得る手段が限られるため、男性は海外へ出稼ぎに行き、残された女性は夫が出稼ぎに出たまま家に戻らず収入がなくなったり、不定期な小額送金により最低限の生活もままならなくなったりする人が多く、子どもたちの教育費や医療費を支払えない人たちもいます。

 

また、ネパールの村には「女性はお金を稼がないものだ」という古くからの男性の考え方があり、残された女性たちの困難に拍車をかけています。

 

 

グリ村の夕景

 

 

自ら状況を変えるべく立ち上がった女性、ドゥルガさん

                    

この状況を自ら変えようと立ち上がった一人の女性がいます。ドゥルガ・カットリチャットリさんです。ドゥルガさんは、これまで夫の家庭内暴力や失踪など、数々の辛い目にあってきましたが、そのような状況を変えるべく自ら一歩を踏み出しました。

 

2001年にネパール政府と国連開発計画(UNDP)の小規模起業家養成プロジェクトに応募し、地元にある自然資源を活かした石けんづくりの方法を教わりました。

 

ドゥルガさん。石けん工房の前で。

 

これをきっかけに、ドゥルガさんは夫に何かを求めることを辞め、自分の力でお金を稼ぐことを強く決意し、石けん工房を立ち上げました。その後、ネパールのフェアトレード団体MAHAGUTHIを通じてシャプラニールと出会い、日本へ輸出するための石けん「She with Shapla Neer(Sheソープ)」の開発をしながら日本の石けん技術を学び、とても質の良い石けんを作ることができるようになりました。

 

日本の「Sheソープ」チームと議論を重ねるドゥルガさん

 

石けん生産の様子
グリ村での石けん生産の様子。日本の技術指導をもとに全行程が手作業で行われます。

 

数々の試行錯誤の末に完成した石けん。手すき紙のパッケージには生産者の顔をプリントしています。

 

 

石けん作りは成功、しかし生産者が定着しない・・・

その裏には「出稼ぎの村」の悲しい事情がありました。

 

石けん工房の立ち上げ時から生産者はずっと3人ですが、ドゥルガさん以外のメンバーは何度も入れ替わっています。一度石けん作りで夢をつかみかけた女性たちが家族の「出稼ぎ」に振り回され、せっかく手にした仕事を続けることができないという、とても悲しい事情があります。以下はそのほんの一部です。

 

タパさん(仮名):インドに出稼ぎに行った夫が精神疾患を患い、働くことができない状態で帰国しました。代わりに息子がインドに出稼ぎに行き、重機操縦の仕事に従事しましたが、職場で遭遇した事故の影響で情緒のコントロールができなくなり、帰国。タパさんがずっと付き添うことになり、石けん作りをすることが困難になってしまいました。

 

シュレスタさん(仮名):インドに出稼ぎにいった夫を追って息子とともにインドへ行ってしまいました。家には夫の両親しかいません。いつ帰ってくるか分かりません。

 

ビンドゥさん(仮名):ある日村に子どもを置いて突然失踪してしまいましたが、近くの町でアラビア語研修を受けていたことが判明。その後、海外に出稼ぎに行ったのではないかと言われていますが、行方不明です。

 

 

村の女性たちの悲惨な状況を変えたい!そのための新しい挑戦。

 

ある日ドゥルガさんから、「現地でとれる素材を使ったリップバームをつくりたい!そのための指導をしてほしい」という提案がありました。リップバームは石けんづくりに使用する身近な材料をベースにつくることができます。石けん以外の新しい商品を開発することで、新しい販路を広げるチャンスにもなります。リップバーム作りの仕事が増えれば、村での女性の仕事も増え、遠い外国へ家族を残して出稼ぎに行かなくてもすむようになります。

 

このドゥルガさんからの提案をきっかけに、村で自ら仕事づくりに挑戦する女性たちを応援したいという気持ちから、今回のプロジェクトの立ち上げを決心しました。

 

家族と一緒に談笑するドゥルガさん

 

 

集まった資金の使い途 ~リップバームの商品開発~

 

私たちはドゥルガさんと一緒に、グリ村近郊でとれるチウリバターと蜜蝋(みつろう)をベースに、ネパール産の天然のエッセンシャルオイルを加えたリップバームを、この工房の新しい商品として開発します。開発した商品を日本に輸入して国内で販売し、工房の女性たちの賃金に還元します。

 

チウリバター。「チウリ」という木の実からとれ、ネパールでは食用として親しまれています。

 

ネパールでの生産はシンプルな道具を使ってひとつひとつ手づくりで行いますが、日本市場で販売するためには、リップバームそのものの生産技術のほか、デザインやパッキング方法など、専門的な指導が必要となります。また、リップバームは唇につける化粧品なので、薬事法などの規制も厳しく、何度もサンプルを作り、使用テストや専門機関での分析を重ねる必要があります。

 

プロジェクトのステップは大きく分けて6つになります。

1)国内の市場調査

2)現地調査および技術指導

3)商品開発

4)国内展示会でのお披露目

5)本生産

6)入荷準備のステップ

これらを約1年間かけて行い、2017年秋口からの商品発売開始を目指します。

 

皆様からいただいた支援は、上記の現地技術指導のためにかかる商品開発費や現地での技術指導費などに使わせていただきます。ドゥルガさんの想いから生まれたこのリップバームづくりを実現するために、ご支援をお願いいたします!

 

 

女性たちの人生を変えるリップバーム作り

 

ドゥルガさんは以前、「シャプラニールと一緒に石けんを作り始めて人生が変わった」と話してくれたことがあります。他の生産者たちも「石けんを作っている時が一番楽しい」と言いながら、いきいきと石けん作りをしていました。そしてドゥルガさんは今、その幸せな時間を村のほかの女性にも味わってほしいと考えています。

 

これまで過酷な環境に置かれてきたグリ村の女性たちがせっかく手にした、幸せになるための機会を、新しくリップバームを作ることで応援したい!と私たちは強く思っています。

 

 

この新しいリップバームを開発し、初年度は10,000本の販売を目指します。また、3年後には20,000本を販売できるようになり、生産者への安定的な仕事づくりを実現します。さらに、このプロジェクトを通して、グリ村の700人の住民に対して「女性たちが身近な素材を使って仕事を生み出すことができる」という実例を示し、住民の意識改革のきっかけにしたいと考えています。

 

グリ村の女性たちが自立した仕事をしながら、笑顔で家族と一緒にいられる日がくるように…このリップバーム作りをどうか応援してください!よろしくお願いいたします。

 

(左から)平澤、新しい生産者ピンカさん、ドゥルガさん

 


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