大学3年を終えた後、フィリピンに11カ月間留学したわけですが、前半はフィリピン大学の社会福祉学部でフィリピンの福祉制度について学ぼうと思っていました。

 

私が通っていたICUとフィリピン大学は提携校で、交換留学の制度があります。 実際、同級生は正式な留学生として受け入れられたのですが、私には学科長から、 「私たちの学部はこれまでに障害のある学生を受け入れたことがないし、今後も受け入れる予定はない」というメールが届いたのです。2011年秋のことでした。

 

近くの市立アテネオ大学なら障害者の受け入れ経験があり、設備も整っているだろうからそちらに行くよう言われました。 だからこそ私は、フィリピン大学に絶対に行こうと決意しました。もし私までアテネオに行ったら、この大学は永遠に視覚障害学生を受け入れないと思ったからです。

 

ICUには当時、1人フィリピン人の教授がいらっしゃいました。その先生に事情を話し、先生がクリスマス休暇で帰国された際にフィリピン大学を訪れ、私のために交渉してくださいました。 大学側が出した答えは、もし私が聴講生としてたんに教室に座るだけで、何の単位も求めないのなら受け入れる、というものでした。

 

大学に通い始めた6月、明らかに先生方の誰1人として私を歓迎していませんでした。 ICUのそのフィリピン人教授が元フィリピン大学の先生でけっこう上の立場だったので、その先生の権力で受け入れざるを得なかっただけで、私は明らかに厄介者でした。 学科長からは二言目には「あなたは正式な学生じゃないから」と言われ、科目登録の日は来なくていいと言われ、学生証がもらえないので銀行口座が開けず、正式に登録していないので学内の寮には入れてもらえず、パスワードがもらえないので学内でインターネットも使えません。

 

また、どうせ付いて行けないから基礎以外の授業は受講するな、課外活動があるクラスは受講するなと言われました。 彼らは、福祉を研究している先生方ですが、誰一人として視覚障害者がレポートを書いて提出でき、単独で通学できるなど信じず、付き添い無しに教室で授業を受けられると言うことさえ信じてはもらえず、それらを主張すると「いい心がけね」と笑われるだけでした。

 

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