支援総額
目標金額 600,000円
- 支援者
- 36人
- 募集終了日
- 2022年7月10日
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プロジェクト本文
終了報告を読む
はじめまして。箱根で民泊「ヤマグチハウス」のオーナーをしている山口由美です。
ヤマグチハウスは私の祖父が1930(昭和5)年に建てた洋館、国の登録有形文化財です。
私はこの家で生まれ、育ちました。
祖父堅吉は富士屋ホテルの最後の同族経営者でした。富士屋ホテルとこの家をめぐる歴史はノンフィクション作家としての私の原点でもあります。
家を維持するには、メンテナンス費用くらい稼がなければと、2015年から日帰りスパ「スパ アット ヤマグチハウス」を始め、2019年から民泊「ヤマグチハウス」を運営しています。
私は父から家を継承しましたが、生前しばしば語っていたのが「いつか暖炉を復元したい」ということでした。竣工当時、リビングルームにあった暖炉です。
堅吉の長女裕子の婿として箱根に来た父が、暖炉の在りし日の姿を見ていたかどうかはわかりませんが、古いアルバムにたった一枚だけあった写真を見たとき、私も同じ思いを抱きました。
1878年創業の富士屋ホテルに創業者次女貞子の婿として箱根にきた堅吉。
ヤマグチハウスは、堅吉と貞子のスイートホームとして建てられました。
しかし、竣工の2年後、39歳の若さで貞子は亡くなってしまいます。後妻となった千代子との一人娘が裕子です。彼女もまた39歳の若さで夭折しました。
私自身も39歳の直前に九死一生を得る体験を経て、貞子に思いをはせるようになりました。
富士屋ホテルは館内にさまざまな木彫刻があります。その影響でしょうか、幻の暖炉には木彫刻があしらわれていました。
この暖炉を木彫刻の本場、井波彫刻で復元したい。そのための費用を援助して頂けないでしょうか。
▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ
我が家がいつ建てられたのか、実は長いこと誰も知りませんでした。
謎が解明したのは2009年、漏電騒ぎがきっかけでした。天井裏を開けたところ、古い資料が大量に発見され、その中に家の設計図がありました。そこから富士屋ホテルと同じ棟梁、河原徳治郎が1930(昭和5)年に手がけたものだと初めてわかったのです。
同時に貞子の葬儀に関する資料も出てきて、堅吉は後妻の千代子を迎えるにあたり、貞子にかかわるものを屋根裏に封印したのではないかと私は推測しました。千代子はとても気性の激しい女(私の実の祖母ですが)だったからです。
最近になって、資料を紐解いて見たところ、あらためてさまざまな事実がわかりました。最初の家は1929(昭和4)年に建てられ、火事で全焼したこと。その後、ほぼ同じプランで再建されたのが現在の家なのですが、暖炉は再建プランで登場したものだということです。
2番目の設計図にだけ煙突がついていますよね。暖炉を設けた証拠です。
さらに暖炉を発注した貞子の手紙とスケッチも発見されました。
暖炉は火事で焼けた家を再建するにあたり、貞子がことさらこだわったものだったこと、
そして、一枚の写真しかなかった幻の暖炉の詳細がわかったのです。
これはもう、貞子に呼ばれていると思いました。
彼女は絵心があり、特に植物画が得意でした。暖炉の装飾は植物がモチーフです。あわせて出てきた貞子直筆の絵は、彼女がデザインのアイディアを考えたものだったのかもしれません。
私が暖炉を復元したい、と強く思った瞬間でした。
▼プロジェクトの内容
復元にあたって、昔の暖炉の部材が残っていないか、我が家の倉庫や屋根裏を大捜索しました。富士屋ホテルの営繕小屋も探してもらいました。しかし、暖炉の部材らしき木彫刻は発見されませんでした。となれば、しかるべきところで再現するしかない。
その時、思い浮かんだのが富山の木彫刻の町、井波の「Bed and Craft」でした。
以前、取材で訪れたことがある地元の職人さんとコラボした新しいスタイルの宿です。
井波彫刻には、貞子が影響を受けた富士屋ホテルの木彫刻と通じる世界観がありました。
早速、Bed and Craftを運営するコラレアルチザンジャパンの山川智嗣さんに連絡をとったところ、「KIN-NAKA」を担当した木彫刻家の前川大地さんに協力して頂けることになりました。
井波彫刻の作家、前川大地さんに木彫刻を再現して頂き、ヤマグチハウスの暖炉を復元します!
▼プロジェクトの展望とビジョン
私は国登録有形文化財の洋館を保存修復しながら民泊を運営してきました。
改修にあたっては、竣工時の面影を再現すべく、限られた予算の中で努力してきました。
最初の改修から一貫して携わって頂いているアトリエフジオカの藤岡裕さんは、文化財の修復に経験豊富で、取り壊された洋館から我が家にあう部材を拾ってきて下さったことも。
そうした私たちにとって、暖炉の再現は夢でした。
民泊の営業にとって、復元暖炉は必ずしも必要なものではありません。しかし、ヤマグチハウスのストーリーにとっては必要なものです。
我が家が国登録有形文化財となった理由は「昭和初期において日常生活に使われた洋式住宅」としての価値を認められたことでした。施主の妻である貞子が夫婦の時間を豊かにするために設置した暖炉は、まさにこの家の存在価値につながります。
物語を完結させる暖炉の復元は、文化財としてのヤマグチハウスの挑戦です。
その思いにご賛同、ご支援頂けますとうれしいです。
このプロジェクトは、井波彫刻と木彫刻の装飾にこだわってきた富士屋ホテルの文化のコラボでもあります。
前川大地さんの代表作「KIN-NAKA」のオーナーは沖縄ツーリストの東良和会長です。東さんは私の父祐司の大学の後輩にあたります。東さんの紹介で、私は初めて井波を訪れました。
ヤマグチハウスの今があるのは人生をかけて家を守った父がいたからです。
山口家が富士屋ホテルの手を離れてからも、父は経営に携わり、この家と富士屋ホテルの文化を愛しました。亡き父が導いてくれた人間関係から生まれる新しい挑戦。
プロジェクトを通して、井波彫刻の魅力を知って頂きたいと思っています。
最後に今回のリターンには平日の宿泊ご招待を無制限でご用意しました。
これは宿泊券としてもお得な設定になっています。
コロナ禍でインバウンドが消滅し、日本中どこの観光地もそうですが、箱根も週末にばかり観光客が集中する傾向があります。
プロジェクトに興味を持って下さった方には、ぜひお休みを調節して、混雑のない平日の箱根を楽しんで頂きたい思いもあります。
▼自己紹介
神奈川県箱根町出身。旅を主なテーマに執筆しているノンフィクション作家です。『箱根富士屋ホテル物語』『勝てる民泊 ウィズコロナの一軒家宿』など著書多数。本業のかたわら、祖父が建てた実家の洋館を受け継ぎ、箱根で日帰りスパと民泊を営業しています。
https://hakoneyamaguchihouse.com/
http://www.yamaguchihouse.com/
▼プロジェクトの展望・ビジョン
- プロジェクト実行責任者:
- 山口由美
- プロジェクト実施完了日:
- 2022年9月30日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
山口由美が井波彫刻職人に暖炉の復元のため彫刻を発注する。彫刻完成後にその設置を職人に発注する。
リスク&チャレンジ
- リターンを実施する上で必要になる資格や許認可について
- 民泊ヤマグチハウスは、2020年5月15日に住宅宿泊事業者の届出済(届出番号第M140026020) ヤマグチハウスアネックスは、2019年6月14日に宿泊事業者の届出済(届出番号第M140017563)
- プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
- 必用金額と目標金額の差額は自己資金対応します。
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プロフィール
○経営者の経歴 ・1962年神奈川県箱根町生まれ。 1985年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。フジテレビ系列の会社勤務の後、海外旅行とホテルの業界誌紙のフリーランス記者を経て作家となる。 1993年コーネル大学ホテル経営学科PDP修了。 2012年『ユージン・スミス水俣に捧げた写真家の1100日』で小学館ノンフィクション大賞受賞。 京都造形芸術大学芸術学部通信教育部非常勤講師 日本旅行作家協会会員、日本エコツーリズム協会会員。 <書籍> 『箱根富士屋ホテル物語』1994年 トラベルジャーナル、のち千早書房、小学館文庫 『帝国ホテル・ライト館の謎 天才建築家と日本人たち』2000年 集英社新書 『箱根人の箱根案内』2000年 新潮OH文庫、のち千早書房 『アマン伝説 創業者エイドリアン・ゼッカとリゾート革命』2013年 文藝春秋 最新刊⇒『勝てる民泊』2021年新潮社 他多数
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リターン
3,000円+システム利用料
進捗状況ご報告のメール
応援していただいた感謝の気持ちを込めて、進捗状況をお知らせするメールを送らせていただきます
- 申込数
- 13
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年9月
10,000円+システム利用料
復元した暖炉絵葉書(ヤマグチハウス割引券付き)の送付
進捗状況を報告するお礼メールとあわせて、
復元した暖炉の絵葉書(民泊ヤマグチハウス2,000円割引 自社サイトQRコード付)を感謝の気持ちを込めて送らせていただきます。割引は、自社サイト経由のご予約に限ります。有効期限は2023年3月31日です。
- 申込数
- 19
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年9月
3,000円+システム利用料
進捗状況ご報告のメール
応援していただいた感謝の気持ちを込めて、進捗状況をお知らせするメールを送らせていただきます
- 申込数
- 13
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年9月
10,000円+システム利用料
復元した暖炉絵葉書(ヤマグチハウス割引券付き)の送付
進捗状況を報告するお礼メールとあわせて、
復元した暖炉の絵葉書(民泊ヤマグチハウス2,000円割引 自社サイトQRコード付)を感謝の気持ちを込めて送らせていただきます。割引は、自社サイト経由のご予約に限ります。有効期限は2023年3月31日です。
- 申込数
- 19
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年9月
プロフィール
○経営者の経歴 ・1962年神奈川県箱根町生まれ。 1985年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。フジテレビ系列の会社勤務の後、海外旅行とホテルの業界誌紙のフリーランス記者を経て作家となる。 1993年コーネル大学ホテル経営学科PDP修了。 2012年『ユージン・スミス水俣に捧げた写真家の1100日』で小学館ノンフィクション大賞受賞。 京都造形芸術大学芸術学部通信教育部非常勤講師 日本旅行作家協会会員、日本エコツーリズム協会会員。 <書籍> 『箱根富士屋ホテル物語』1994年 トラベルジャーナル、のち千早書房、小学館文庫 『帝国ホテル・ライト館の謎 天才建築家と日本人たち』2000年 集英社新書 『箱根人の箱根案内』2000年 新潮OH文庫、のち千早書房 『アマン伝説 創業者エイドリアン・ゼッカとリゾート革命』2013年 文藝春秋 最新刊⇒『勝てる民泊』2021年新潮社 他多数