支援総額
目標金額 5,000,000円
- 支援者
- 709人
- 募集終了日
- 2023年3月16日
「Ⅲ第二次世界大戦と私 育てればとられてしまう」鎮魂のうた
Ⅲ第二次世界大戦と私
―生と死の海で―《昭和十六年(一九四一)》
第三回目の召集は、昭和十六年(一九四一)九月に受けた。
一回目、二回目の召集は「勇躍」して出たのだが、三回目は「これは敗ける戦争かも…」という暗い予感があった。それは、二年間、中国河北省石門に勤務して「押せど押せど、砂漠にのめりこむばかり、のれんに腕押し」で、広漠とした大平原に吞み込まれ、日本軍の死傷者ばかりふえていく現実を、傷病兵から感じられたからである。
広い中国で、大平原にのめり込み、吸い込まれるような、戦況の結末も見られぬうちに、「アメリカと戦争がはじまるのでは?」という風聞があり、「これは大変なことになる」と、暗澹(アンタン)とした心境で、召集状を受けたからであった。
毎日の食べ物も少なく、庶民の生活はどん底にあえいでいたといってよかった。
「生きては還れまい。」君国のためという気持ちは失せ、「幼いものたちを守らねば…」という思いにゆすぶられて、家をあとにしたといっていい。
昭和十八年(一九四三)五月には、病いにたおれ、ようやく退院して任に就いたものの、南太平洋の戦いで後遺症に悩み、昭和十八年の夏には、仲間と別れ、帰郷しなければならなかった。
育てればとられてしまう
育てればとられてしまうとつぶやきし母の低き声耳ざとくとらえき
八人の子を育て、貧乏ぐらしを続けながら、生き抜いた母であった。私が従軍中にもらった手紙には、ふとんがボロボロになっても、ふとんがわも綿もなくワラブトンにしたなどとあった。
「たべものも乏しくなり、主食はもちろん、塩もなくなった。しかし、となり組みをまとめ、食料が配給されれば、組みに公平に分け、防空演習には率先して出て、銃後の守りはしっかりやっているから安心せよ」と手紙には書いてよこした。
召集がとけて、生家に帰るたび、小さな母が一層小さく、衰えてゆくのに私は心を痛めていた。
ある日、こんな手紙がきた。
「戦争はますますひろがって、出征兵士も続々と立っていった。名誉の戦死者も毎日、白木の箱で帰ってきている。
弘前衛戍(エイジュ)病院は、傷病兵で満員。十五人の看護婦の多忙さは可愛そうなぐらい。
我が家では、長男は朝鮮、次男はハルピンで学徒動員、三女は北朝鮮に嫁ぎ、お前は召集、毎朝、かげ膳をそなえていた。
おいも三人、召集され、若い男がいなくなった。
かげ膳もあげ切れなくなった」とあった。
しかし、手紙を見る限り、気丈な母ではあった。
三回目の召集の出立準備をととのえるのにいそがしい時に、「子供を育てればみんなとられてしまう(戦争に)」とつぶやいた母のことばを私はとらえた。
気丈だと思っていた母の一言におどろいて私は言った。
「カッチャ、そしたらごと、しゃべるんでね。(話すんでない)もし、聞こえたら(憲兵や警察に)大変なことになる」と、たしなめた。
そのころ、住民からの密告も絶えなかった。
反戦のことばを言ったり、娘の嫁入りのために反物一反を隠したりしていた住民が警察に引っぱられていくような、言論と思想の押さえつけはひどいものであった。
「だまっていて…」と私が言ったときの、母の目が忘れられない。
勇躍、「勝たねばならぬ」と出征した前二回の召集時とくらべ、住民の暮らしのひどさと、先行きのわからない泥沼の戦争に、大変なことになる予感がした。
ただ、「幼いものたちを守らねばならぬ」という悲壮感のみがあった。「国のため…」という気持ちは、正直にいって失せていた。
写真はイメージです。

「鎮魂のうた」47-49p
---
平成14年(2002年)に花田ミキさんが自費出版した「~20世紀におくる~鎮魂のうた」という記録集があります。従軍看護婦として戦場に赴いたときの記録集です。
この経験から「命を阻むものはすべて悪」という強い信念を持つようになった経緯を感じていただけると幸いです。
今回、ボランティアの皆さまと文字起こしをさせていただきました。ご協力に感謝します。
▽1話ずつ紹介しています。
鎮魂のうた~20世紀におくる~
I. 日中戦争と病院船
II. 黄土戦野の病院で
III. 第二次世界大戦と私~生と死の海で~
育てればとられてしまう
初萩の門
日米開戦の朝
非常準備
鱶(フカ)も敵
水漬く屍
少年兵の声
東条艇が航く
潮を浴びて
ゆきかう手旗信号
つらい船酔い
大きな虹
幽鬼の群れ
軽き担架
水恋い
山中の敗走
IV. ふりむけばーーそしていま
十四歳
遺されし子ら
八月の面影
修羅の青春
苦しい暮らし父母からの手紙
色をうとむ
われらカナリヤ
V. 二十世紀におくる鎮魂のうた
戦争の世紀
泥沼の日中戦争
疲れ切った銃後
若ものたちのいのちを返せ
自らむちうって

リターン
10,000円+システム利用料

五十嵐匠監督オンライントークイベントご招待、ウェブサイトへお名前掲載
▶五十嵐匠監督オンライントークイベントご招待します
2024年6月の映画完成後を予定しています。2024年3月中に、日程についてご連絡いたします。参加できない方には録画を期間限定でご覧いただけるようにします。
▶公式のウェブサイトにお名前を掲載します(サイズ小)
映画の公式ウェブサイトに感謝の気持ちを込めて、お名前を掲載いたします。
掲載するお名前は「質問」の回答のところにご記入ください。掲載不要の方は「不要」と書いてください
▶感謝のお礼メッセージをお送りします
▶全国どこからでも映画をオンライン視聴いただけます
5千円コースの説明欄をご参照ください。
- 申込数
- 199
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年6月
5,000円+システム利用料

オンラインで映画を鑑賞いただけます
▶感謝のお礼メッセージをお送りします
▶全国どこからでも映画をオンライン視聴いただけます映画完成後に、視聴できるURLをお送りします
映画の完成は2024年6月を予定しています。視聴期間は、お知らせから2週間を予定しております。
- 申込数
- 424
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年6月
10,000円+システム利用料

五十嵐匠監督オンライントークイベントご招待、ウェブサイトへお名前掲載
▶五十嵐匠監督オンライントークイベントご招待します
2024年6月の映画完成後を予定しています。2024年3月中に、日程についてご連絡いたします。参加できない方には録画を期間限定でご覧いただけるようにします。
▶公式のウェブサイトにお名前を掲載します(サイズ小)
映画の公式ウェブサイトに感謝の気持ちを込めて、お名前を掲載いたします。
掲載するお名前は「質問」の回答のところにご記入ください。掲載不要の方は「不要」と書いてください
▶感謝のお礼メッセージをお送りします
▶全国どこからでも映画をオンライン視聴いただけます
5千円コースの説明欄をご参照ください。
- 申込数
- 199
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年6月
5,000円+システム利用料

オンラインで映画を鑑賞いただけます
▶感謝のお礼メッセージをお送りします
▶全国どこからでも映画をオンライン視聴いただけます映画完成後に、視聴できるURLをお送りします
映画の完成は2024年6月を予定しています。視聴期間は、お知らせから2週間を予定しております。
- 申込数
- 424
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年6月

貧困・虐待などで親を頼れない若者に伴走支援を|若者おうえん基金
- 現在
- 7,221,000円
- 支援者
- 339人
- 残り
- 6日

物価高でごはん食べられない若者に今すぐ食糧を|緊急支援2025冬
- 現在
- 11,839,000円
- 寄付者
- 317人
- 残り
- 29日

好きだけどつらい・・デートDVのない社会のために相談窓口を続けたい
- 総計
- 87人

311人募集中!|311子ども甲状腺がん裁判応援サポーター
- 総計
- 275人

#アントラーズの未来をみんなで 2025
- 現在
- 41,385,000円
- 寄付者
- 821人
- 残り
- 26日

フリースクールで不登校の子どもたちの居場所・学びの場を広げたい
- 総計
- 12人

仙台発、政治や選挙を身近にする活動をサポートしてください!
- 総計
- 23人

大好きなオイスカ幼稚園を無くさないで!子ども達の笑顔を取り戻す‼
- 支援総額
- 2,033,000円
- 支援者
- 78人
- 終了日
- 2/10
環境・動物・人に優しい、vegan&glutenfre製菓所の開設
- 支援総額
- 1,624,000円
- 支援者
- 80人
- 終了日
- 6/28
虐め、自殺をさせない!心の電話相談センター
- 支援総額
- 10,000円
- 支援者
- 6人
- 終了日
- 11/26

京都与謝野町の認可外保育園をまもる!こどもの森サポーター募集中!
- 総計
- 0人

愛犬パブちゃん手術&治療費の支援をお願い致します🙏
- 支援総額
- 360,000円
- 支援者
- 36人
- 終了日
- 6/17

今年も厳しい冬がやってくる。ネコ達の清潔で温かな生活のために
- 支援総額
- 1,515,000円
- 支援者
- 122人
- 終了日
- 12/19

広島でもモデルが活躍できる!ファッションイベントを開催します
- 支援総額
- 90,000円
- 支援者
- 3人
- 終了日
- 8/10



.png)
















