プロジェクト概要

 

あの戦争は、あの夏のまま、静かに、まだ続いている。

 

はじめまして。駆逐艦菊月会幹事の堀江仁貴です。

 

私たち駆逐艦菊月会は現在、大きく分けて二つの部会で成り立っています。


まず遺族部会は、菊月の喪失日に、菊月の船籍港である佐世保で親睦会を開くなど、国内での交流を主としています。


そして研究部会は、米軍が残した写真資料をもとに復元図面の製作を行ったほか、今年の3月には無人航空機(UAV)で菊月の空撮を行いました。2017年から現在に至るまで、ソロモン諸島文化観光省、教育省と協同し、戦跡の調査、特に菊月の保全状況調査にあたっています。

 

この度、ソロモン諸島に眠っている駆逐艦菊月の調査を今年、8月の4~11日に行います。この調査のための機材の購入費の一部をクラウドファンディングを通して、皆様のお力をお貸しいただきたいと思っております。ぜひ温かいご支援をお願いいたします。

 

 

今なおソロモンの海上にその姿を残す駆逐艦「菊月」

 

「菊月」は日本海軍の駆逐艦です。進水当初は「第三十一号駆逐艦」と呼ばれ、1928年に「菊月」と改められました。

 

太平洋戦争では、第1航空艦隊第2航空戦隊第23駆逐隊に所属し、グアム島攻略作戦の護衛やラバウル方面、ラエとサラモアの各攻略作戦に参加。その後、アドミラルティ攻略作戦の支援任務に就きました。

 

そして、1942年、ツラギ攻略作戦中にアメリカ軍の空母ヨークタウンから発進した艦載機の攻撃を受け損傷し、浸水が酷くやがて沈没しました。

 

 

多くの駆逐艦や軍艦が戦争で海に没した中でも、「菊月」が特徴的なのは、その船体が水上に突き出しているということです。

 

沈没したものの、浅瀬にあったその船体は、アメリカ軍の調査のために浮揚作業が行われました。徹底的に調査された後、船体はそのまま放置され、今でもその姿を残しています。

 

しかし、海面から出ている部分のほとんどが崩壊し、海面上昇や地盤沈下などから、 今後数年も掛からず完全に水没してしまう恐れがあります。

 


 

戦争を語る人が少なくなっている今、訴えかける存在を残していく。

 

戦後七十余年の歳月が流れ、当時を知る方も少なくなって参りました。 これからは戦跡に学ぶほかありません。忘れないよう語り継ぐことこそ、こんにちの平和の礎として祖国に殉じたすべての英霊に対する弔いではないかと思うところです。

 

そのために、この変化の激しい船体の行く末を見守って行こうと決意しました。いずれ無くなるものとはいえ、あと7年、忘れ去られなければ、菊月は艦齢100歳を迎えることができます。保全状況の把握は後回しにも、欠かすこともできないと考えています。

 

今回は、8月の4~11日に、無人潜水機(ROV)を用いて、今まで水質が悪くはっきりとしなかった菊月周辺の海底を撮影し、現在どの部品がどの座標にあるのか、GPSマッピングを行います。

 

戦争の爪痕を実際に見聞きし、後世に語り継ぎ、その惨禍を繰り返させないよう働きかけることが、私たちがこのプロジェクトで実現したいことです。ぜひよろしくお願いいたします。

 

 

戦後生まれの私たちが、忘却という死を防いでいく。

 

私たち駆逐艦菊月会のメンバーは、現在、全員が戦後生まれで、あまり先の大戦について直接知っていることはありません。しかし、菊月という艦を通し、戦争のもたらしたものを考える機会を得ることができました。

 

現在、そのような場所がなくなりつつあります。だからこそ、それに危機感を抱き、未来に残したいと考えるのだと思います。


全てにおいて、全ての人に、関心をもって、勉強して、行動してほしい、とまでは言いません。ただ、そこにも斯様な存在があるのだと、「存在を知っていただく」ことが、このプロジェクトの一番の狙いです。

 

全ての存在において忘却とは第二の死です。それを防ぐこのプロジェクトをきっかけに、世の中はこれからもっと良くなる。そう信じています。

 

 


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