ACE白木@ガーナより。ほぼ1年ぶりのご報告です。

みなさん、こんにちは。ACE事務局長の白木朋子です。

日本は酷暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

 

西日本豪雨の被害に遭われた方々にお見舞い申し上げるとともに、復旧、救援作業に当たられているみなさまの安全と1日も早い復旧・復興をお祈りいたします。

 

 

さて、私は7月15日に日本を発ち、ガーナに来ています。今回の主な目的は、隣国コートジボワールで開催された、カカオの児童労働について話し合う会議への参加と、ガーナのプロジェクトのインパクト拡大に向けた現地訪問です。まとめてのご報告となり恐縮ですが、この1年のチョコレートプロジェクトの進展についてご報告させていただきます。

 

CLCCG会議にて、ガーナでの活動について発表しました!

会議の主要メンバーである、コートジボワール政府、ガーナ政府、米国労働省、チョコレート・カカオ産業の代表者。左から3番目は会議のホストであるコートジボワールの大統領夫人。

 

昨年、Readyforを通じてみなさんからご支援いただき参加した「カカオ産業の児童労働撤廃に向けたコーディネーティンググループ」(CLCCG)の年次会合に今年も招待され、参加してきました。第8回目の開催となる今年は、コートジボワール政府がホストとなり、7月17日~19日の日程でアビジャンでの開催となりました。

 

CLCCGは、世界第1位と2位のカカオ生産を誇るコートジボワールとガーナの両政府、米国労働省、チョコレート・カカオ業界の4者の主要メンバーによって構成されており、それぞれの取り組みの進捗を報告しあうために、2010年から毎年1回本会合が開催されています。

 

年次会合では、上記主要メンバーのみが議論に参加する本会合に加え、NGOや労働組合などの市民社会組織に参加を開くステークホルダーダイアログが設けられ、経験共有や情報交換が行われています。

 

昨年の報告はこちら

https://readyfor.jp/projects/clfreecocoa/announcements/62358

 

コートジボワール、ガーナそれぞれで活動を行うNGOから発表を行いました。
会場からの質問に答えているところ。たくさん質問をいただき、関心の高さを感じることができました。

 

今年はステークホルダーダイアログに参加するだけでなく、なんと主要メンバーの会議の中で発表する機会をいただきました!めったにない英語での発表は緊張しましたが、ガーナの雇用労働大臣、コートジボワールと米国の政府関係者、世界の名だたるチョコレート、カカオ関連企業の代表者の方々の前で、ガーナと日本で、カカオ生産者、企業、消費者をつなぎながら問題解決をめざすACEの取り組みとこれまでの成果について伝えることができたのはとても貴重な機会となりました。

 

ガーナの大臣にも「いい仕事をしてくれた」と喜んでいただくことができ、また企業の方にも「君たちは新しい価値を生みだしている」と言っていただけて、本当にうれしかったです。私たちの村全体をターゲットにして、カカオ以外も含むすべての児童労働をなくし、「Child Labour Free Zone」を実現させるアプローチにも関心を持っていただけました。

 

会議に出席していたガーナの雇用労働大臣と。

 

今回この会議に参加して、「Child Labour Free Zone」を確立していくことは、昨年ガーナ政府が発表した、「児童労働撤廃に向けた国家計画」の中にも書かれていたことがわかりました。ガーナの大臣にも私たちの活動を知っていただくことができたため、今後どのように政府と連携していけるか、ガーナに戻ってからその可能性について話し合う機会を持つことになりました。

 

2009年から活動してきた地域がプロジェクトを卒業しました

卒業セレモニーでの演劇の様子。子どもが演じるプロジェクトのスタッフが家族を説得しているシーン。

 

昨年のReadyforでも応援していただいた8つの村での活動が終了し、今年3月にアチュマ・ンプニュア郡にてプロジェクトの卒業セレモニーを行いました。セレモニーには、各8村より村長や子どもを含む代表者と、郡の関係者が集まりました。

 

各村の村長や郡の来賓からのスピーチがあり、郡の関係機関からのスピーチでは、「これまでも様々な団体によるプロジェクトがあったが、これほど継続的に活動し、そして人々の意識を変えたプロジェクトはない」というお言葉をいただきました。

 

スピーチの間には、各学校の出し物があり、演劇があり、ダンスがありと、とても楽しいプログラムになっていました。演劇は「児童労働をなくす方法」を伝える内容で、プロジェクトのスタッフや関係者、子どもたちが演じました。

 

最後には、8村を横断して新たに結成された「児童労働モニタリングチーム」のメンバーが決意表明し、これからも村と郡の関係者が協力して「児童労働のない村」を維持ししていくことを誓いました。

 

2018年2月より、新たな州の2村でプロジェクトを開始しました

上記8村のプロジェクト卒業に伴い、今年2月から、これまで活動していたエリアに隣接する、ブロン・アハフォ州のアスナフォ・サウス郡の2村で新たにプロジェクトを開始しました。CLCCGの会合への参加を終えた後、7月18日にガーナに戻り、翌日この2村を訪ねて集会を行ってきました。まだまだたくさんの課題を抱えている村があることを実感しました。

 

最初に訪ねた村では、幼稚園から小学4年生までのおよそ90人の子どもが学校に在籍していました(この村には4年生までの教室しかないため)。今年5月に子どもの就学を呼びかける啓発を行って以降、就学率が20%ほど増え、出席率もプロジェクト開始前は50%足らずだったのが90%以上になってきているとのことでした。2月に活動を開始してわずか半年ですでに成果が出はじめていることがわかり、とてもうれしかったです。

 

村の小学校。環境は整っていないものの、プロジェクト開始後に学校に通う子どもたちは急激に増えた。

 

今回訪ねた2つの村の小学校は、いずれも校舎の壁や屋根がボロボロで、教室の数、机やイスの数、先生の数も足りていません。村に中学校はないので、小学校高学年から別の村に長距離歩いて通学しなければならない状況です。政府の新しい方針により、9月に始まる新年度から、学校の授業時間が午後3時30分まで延長されるのに伴い(今は午後1時30分まで)、どちらの村にも今まではなかった学校給食をどうするかが議論の中心になっていました。今も子どもたちは昼食を食べずに授業を受け、下校後もしくは夕食までごはんを我慢しているとのこと。ある女の子は、おなかが空きすぎて「授業中に眠ってしまうこともある」と話してくれました。

 

小学校近くにある村の公衆トイレ。板が壊れていて落ちそうで怖い。衛生状況もかなり悪く、実際には使われていないそう。

 

学校以外にも、安全な水が確保できる井戸の不足や、道路や電気のインフラが整っていないなどの課題があります。道路の問題は、教育にも直結していて、雨になると水はけの悪い道路に水があふれ、腰まで水に浸かりながら子どもたちが通学してきたり、遠くから通ってきている子どもたちが来れなくなってしまったりしているとのこと。村に教員用宿舎がなく、先生たちは別の村から通ってきているため、雨が降ると先生が来れなくて授業が成立しないこともあるようです。今もちょうど雨季で、舗装されていない道路が雨でぬかるんでいて、四輪駆動の車でもかなり不安な状態で移動してきたので、その大変さを身をもって実感しました。

 

今後プロジェクトでは、子どもたちの就学と出席を高めていくだけではなく、学校環境の改善や学校での学びの質の改善、学校以外の課題の解決にも、自治体や村の住民とともに取り組んでいきます。

 

村の集会に集まった人々。「一度も学校に通ったことがない人」と尋ねたら、たくさんの手が挙がりました。

 

この翌日には、アチュマ・ンプニュア郡での行政機関や他のNGOとの連携拡大を視野に、ミーティングも開催しました。また、今週はアクラでの政府関係者やカカオ産業関係者と面会し、今後の連携の可能性などについて協議する予定です。

 

これまで約10年間に積み重ねてきた、ガーナや日本での活動の成果を、もっと広く、ガーナの国全体や西アフリカ地域、国際レベルでのインパクトにつなげていけるよう、これからも活動していきます。

 

ACEの活動は、個人や企業からのご寄付によって成り立っています。たくさんの方々によりここまで活動を重ねてくることができたことに、心より感謝申し上げます。ガーナでのプロジェクト実施のみならず、国際会議への参加を通じたアドボカシー活動にも多くの費用がかかります。これからも、カカオ生産地および世界全体での児童労働撤廃をめざして活動を続けていくために、みなさまの引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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コートジボワールでの会議は、ガーナプロジェクトマネージャーの近藤と一緒に参加。充実した機会となりました!

 

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